妙法寺・稲城道場

よみうりランドの西側の山中に人知れずある仏舎利塔。

(東京都稲城市矢野口)

2002年1月2日、弟が遊びにきたので初詣に出かける。横浜から手軽に行ける寺社というと、普通なら川崎大師、鶴岡八幡宮というのが有名である。ちょっと凝ってみたら、深大寺、総持寺、寒川神社といったところか。だが、私と弟がああでもない、こうでもないと言い合って決めた行き先は、よみうりランドの近くにある香林寺という寺だった。

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だが、香林寺はふたりとも初めてではなかったから、何かもっと趣向の違うところにも寄ろうということになった。それがこれから紹介する日本山妙法寺である。

妙法寺の入口はよみうりランドの北側の坂道のヘアピンカーブの途中にある。そこから里山の雑木林の中を300mほど進んだ山の尾根に寺はある。そこは、東京にこんな何もない場所があったのかとおどろくほどの真空地帯である。

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正月だというのに駐車場には1台の車も止まっていない。参拝客はまったくいなかった。

妙法寺は以前に仙台道場を紹介しているので、ここで2ヶ寺目となる。

日本山妙法寺という宗派は徹底した平和主義、非暴力主義が教義で、日本が戦前と同じ道をたどろうとするたびに現場に急行し無言の抗議を繰り返している。同じ日蓮宗系の某巨大宗派が、わずかな福祉予算と政権ポストと引き換えに、国の将来を誤らせる法案を次々成立させているのとは大変な違いだ。

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そもそも私は日蓮宗系の新興教団にはあまり親近感が持てないのだが、日本山妙法寺に関して言えば例外である。もちろん妙法寺もそれなりに近寄りがたい存在なのだが、実際に彼らの活動を見ると、日本の宗教のなかでもかなりマトモなほうなのではないかと思えてくる。

駐車場の脇には衆寮がある。稲城道場は青年僧の修行道場ということなので、それなりの人数が修行できそうだった。

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丘に登ると仏舎利塔がある。「仏舎利塔」とは釈迦の骨を収めた塔という意味で、建物の本尊を基準とした呼び方だ。構造的な呼び方をするならこれは「覆鉢(ふくばち)式仏塔」または「ストゥーパ」と言えばいいだろう。

日本山妙法寺のシンボル的な建造物である。仙台で見たものより全体的に一回り大きいようだ。

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仏舎利塔の中には黄金に輝く釈迦如来がいる。

吉祥印というめずらしい印相を結んでいる。

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本堂はRC造の昭和風建築。

本堂の入口や仏舎利塔の左右には仏教の旗がかかげられていた。正月なので日の丸の代わりに上げているのだろう。

この旗は世界の仏教国で通用する共通の旗なのだが、私も最近まで知らなかった。ミャンマーを訪れたとき、この旗をあちこちで見たので現地のガイドさんに訊ねたところ、仏教の旗も知らないのかと不思議がられてしまったのを思い出す。

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境内には他に石造宝塔があった。

墓か慰霊碑であろうか。

(2002年01月02日訪問)

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