岩屋寺・奥の院

廃虚のような三重塔がある。あまりにも陰気な空間。

(愛知県南知多町山海城洲)

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岩屋寺の奥の院。本坊からは少し離れていて、車で移動。奥の院への参道。

左に見えるのは地蔵堂(?)。

本坊の案内板では、本坊の裏山のミニ霊場には奥の院方面から行けそうな図が描かれていたが、道は本坊からどんどん離れていく。

どうやら本坊裏山のミニ霊場には行けそうもない。

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案内図では奥の院ははるか遠くの山の中に描かれていたのでこの道を車で進入した。

しかし道は300mくらいで終わっており、すぐ奥が奥の院であった。突き当たりには駐車スペースも無く、かなり気まずい状態に‥‥。無理やり車を転回して入口の駐車場まで引き返した。

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奥の院への参道は両側に無縫塔などが建ち並ぶ、昼なお暗い道。

周囲はスギやマツの森で、林床にはヤブツバキなどが茂る湿気の多そうな谷である。

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参道を進むと赤い三重塔が見えてくる。

中央に見える堂は奉納所(?)。

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三重塔はRC造で、組み物などは省略された荒っぽい建物。しかも周囲の湿り気のためか、塗装が剥げたりコケむしていたり、廃虚のような印象を与える。

私もいろいろな塔を見たが、これほど荒れた雰囲気の塔は他に見たことがない。建物を建てるのにはあまり向いていない場所なのではないか。

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いたる所に灯明があげられていて、信仰が厚いのはわかるのだが、じめじめした場所に灯されてる灯明はなんだか炎までが湿り気を帯びているように見える。アンドレイ・タルコフスキーの映画にでてくる炎みたいだ。

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本坊のあたりのカラッとした空気とはまったく違う死の匂いが満ちている。

同じ寺とは思えない。

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三重塔の裏に階段があり、そこを登ると二十五薬師堂がある。薬師堂の左に見えるのは三重塔の初層の屋根。

まだ階段が続いている。

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その先には奥の院の本堂があった。

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本堂の内部では護摩木などが売られていた。

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本堂の向かい側の斜面には女人堂という堂があった。

女人堂とは境内に入れない女人が参籠するための堂なのだから、本来は結界の外にあるものなのだが、ここでは奥の院の最深部にある。これでは女人堂の意味がないと思われる。

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女人堂の内部。

ここにも灯明があげられている。

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本堂付近にあった地蔵堂。

岩屋寺奥の院は三重塔の他、堂も多く、一見には値するのだが、どうにも陰気すぎる。参詣するとなんだか体が重くなってしまいそうな場所だった。

(2001年11月25日訪問)

福岡県の神社 (アクロス福岡文化誌 6)

単行本 – 2012/5/1
アクロス福岡文化誌編纂委員会 (編集)

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