毘沙門堂のある棚尾界隈が碧南市の山の手だとしたら、大浜地区は対照的な下町。漁村の雰囲気を色濃く残した古い町だ。
寺町があるので訪れたのだが、古びた街の雰囲気がよかったので少しぶらぶらしてみた。
街の中央は堀川で船だまりになっている。
この堀川に面したところに「魚為」という魚屋がある。観光客相手の魚屋ではないが、おそろしく活気のある店で、この港が栄えていたときの時間がそのまま流れているようだ。冷やかせるような雰囲気の店でもないし、あまりの迫力に写真を写すのがはばかられたが、碧南の一番碧南らしい場所かも知れない。
堀川の南側には、ミリンや醤油の蔵が建ち並んでいる。
かつては店が連なっていたのだろう。道の中央にドブ板がある古ぼけた路地。
親子水銀灯も良い雰囲気を醸し出している。
まるでつげ義春の漫画にでも出てきそうな路地。
はっきり言って大浜界隈には観光客が大挙して押し寄せるような要素はなにもない。町並みといっても文化財になるような家並みもない。だが、まるで古い写真を見ているような懐かしい景色が随所にあって、散策するには楽しい街だった。
(2001年11月24日訪問)