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榛名山麓の寺

榛名山麓に伝わる不思議な大寺の物語「船尾記」にゆかりの寺を巡る。

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2002年の冬、それまで勤めていた会社を辞めることを決めた。プロジェクトが一段落した3月上旬、会社に辞表を提出した。転職は2回目。前回のときは次の会社が内定していたが今度は具体的に次のあてもない状態での離職となる。場合によっては田舎に転がり込む可能性もあったので、一応田舎の両親に報告のために帰省した。報告と言ってもひとこと説明するだけで用事はすんで、そのあとはごろごろしているだけ。もったいないので午後から近場の寺を見ることにした。

出かけたのは榛名山の東麓の寺々。最近、柳沢寺(りゅうたくじ)という寺に五重塔が建ったというのでそれを見に行くのが主たる目的だった。私は高校~大学時代に群馬県にあるすべての塔と、(おそらく)すべての楼門を見たと思っているので、新しく塔や楼門ができたと聞けばチェックしておきたいのだ。

ところで、柳沢寺には船尾記という縁起物語が伝えられている。これは南北朝時代に成立した「神道集」という説話集の中に書かれているもので、かつて榛名山麓にあったという大寺院にまつわる不思議の物語である。せっかくだから、その物語に関連する寺社をまわってみよう。