極楽寺

扇状地に浮かぶ小島のような寺。夢殿がある。

(岩手県紫波町升沢)

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紫波町に着いたのはもう午後6時に近い時間だった。岩手県のこの辺りは北上川が南北に流れ、線路や国道は北上川の両岸の平野部に集中している。

紫波町で最初に訪れた極楽寺は、北上川の西岸の山地のふもとの扇状地にあった寺だ。

周囲は水田で、寺のある場所だけが小島のようにこんもりと茂っているのですぐにわかった。

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寺の敷地は広く、本堂のある境内のほかに、道路を隔てて八角堂のある敷地がある。

まず本堂のほうへ行ってみる。緩い石段をのぼったところに四脚門がある。

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その門には「三解脱門」と書かれた扁額がかかっている。寺の山門を「三門」とも書くのは「三解脱門」の略だからともいう。

扁額の下には水色のプレートが3つ付いているのが見えるが、この寺は随所にこのような説明プレートが取り付けられている。

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本堂。

その右側には庫裏。

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本堂の前には鐘堂。

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続いて、本堂からは道を隔てた隣の敷地にある八角堂へ行ってみる。

八角堂の前には仁王像がある。日本最大の石造仁王だそうだ。似たようなものをどこかで見たような‥‥。

高さは4mで中国製。ちなみに第2位は埼玉県米子町(ママ)にある3.8m。関東以北には46体の石造仁王があるという。妙に細かいデータをあげて日本一であると説明している。ところで米子町ってどこのことだろう? 埼玉県にはそれらしき住所はない。

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これが奥州夢殿。

法隆寺の夢殿を模したものだという。英霊殿とも書いてある。戦死者を慰めるための堂か。

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本尊は“中国伝来弥勒菩薩"と書かれていた。仁王像もそうだったが、わざわざ中国製と書く必要があるのだろうか。

内部を覗いてみたが、幕が下りていて仏像は見えなかった。

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夢殿の敷地にあった張り子の象。

花祭りのとき誕生仏を背中にのせて引く風習があるという。

こうした張り子の象はたまに見かける。

このあと近くにあった志和稲荷神社、志和古稲荷神社という2つの神社を見学したのだが、ここでは紹介しない。実はこの時点ではその気はなかったのだが、宿に帰ってから次の日は再びこの紫波町からスタートすることにしたのだ。おかげで2つの神社も再度訪問することになった。2日目に写した写真のほうが明るくてよく映っているので、これらの神社は2日目の旅で紹介することにする。

したがって、次に紹介する不思議な物件までは少し時間が飛ぶことになる。

(2001年08月11日訪問)

日本のお寺・神社 絶壁建築めぐり

単行本(ソフトカバー) – 2019/6/22
飯沼義弥 (著), 渋谷申博 (監修)
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