円田の火の見櫓

トラス構造、鉄塔業者が施工したのか。

(宮城県蔵王町円田)

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蔵王町のなかで見かけた火の見。

すべてが直線的で飾り気のない火の見だ。

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この火の見、めずらしい構造だ。普通、火の見櫓のは対角線上にX字の筋交い(すじかい)で組み上げてあるものが多い。

ところがこの火の見はKの字を時計回りに90度回転したようなトラスである。送電鉄塔などで見られる辺と辺を斜材で結ぶトラスに似ている。しかしよく見ると斜材の頂点が人の字のよう一点で接合しておらず、ハの字のように離れている。規格品の鉄骨を使ったため長さが足らなかったのか?

構造力学は私の最も苦手とする分野なので自信はないのだが、トラスとしてはあまりよい作りではないように思う。

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左写真は蔵王町の町内で見かけた別の火の見。

こちらは斜材の使い方が逆。

あきらかに上と同じ業者が施工したものだろう。

火の見櫓は鉄工所が作ることが多いように思うが、この火の見は送電鉄塔を手がけている業者が手がけたものなのではないかと想像できる。

(2001年08月11日訪問)