蓮台寺

かつて金毘羅宮との両参りで繁栄した瑜伽山の「寺」部分。

(岡山県倉敷市児島由加)

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蓮台寺。五流尊瀧院から南へ5kmほどいった山頂にある寺。通称“瑜伽山"。かつて四国の金毘羅宮との両参りの信仰があり、江戸時代には大変に栄えたという。今でも参道にその面影があるし、旧児島市(現倉敷市児島地区)はその参拝客相手に発展した町だともいう。

ところがその瑜伽山へ向かう道々に不穏な立て札が‥‥。

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駐車場にも「瑜伽神社への参拝お札をお受けの方の駐車はお断りします。」などと穏やかでないことが書かれている。

由加神社とは蓮台寺と同じ境内にある神社だ。神仏分離以前はひとつの寺だったはず。確かに寺の駐車場なので他の目的に使うなと主張するのは自由だろう。それには何も言うまい。だが、同じ境内に両者の建物が混在しているため、どの建物が寺でどれが神社なのか、はっきりいって素人には判断不能なのだ。

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一応、私なりの判断で蓮台寺と由加神社のページを分けることにするが、一つ二つは所属が違っているものがあっても許して欲しい。

まずは大本殿。ここで蓮台寺の祈祷、護符の頒布、客殿拝観などの受付をしている。新築のきれいな建物で二階建て。用途から言えば客殿に相当するだろう。恐る恐る入っていくと受付の僧侶が「どうぞ二階にも上がってください」とやけに腰が低い。

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大本殿内にはいろいろな仏が祀られていたが、その中で異彩を放っていたのが左写真の茶吉尼天。特別なコーナーが設けてあって小さな赤い旗が奉納できる。(1回100円)

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客殿。とても豪壮な建物で県重文。(パンフレットにはやたらに“重文"を強調していたが、世間では“重文"といったら“国重文"のことで、県重文をあまり自慢するものではないと思う。)

拝観は400円で、説明付き所要時間20~40分とのこと。この日はもう拝観時間を過ぎていて拝観できなかった。

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続いて、本堂のほうへ向かうと、途中に三間一戸鐘楼門、のようなものが建っていた。恐らくもともと別の場所にあったものを移築したのではないか。手前にはカウンター付きのお百度石もある。ちなみに赤いぼんぼりが建っているラインが寺と神社の境界線なので、建っている位置からすると由加神社の伽藍かもしれないのだが、鐘楼ということなので蓮台寺として紹介しておく。

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石段を登ると本堂の権現堂。

その左側の急斜面には回廊が続いている。

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回廊と客殿を上からみたところ。

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回廊の内部。どうやら有料拝観をするとこの中を通れるらしい。

手すりに沿って無数のひょうたんが奉納されている。

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本堂の瑜伽大権現堂。

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そしてここからが微妙なのだが、由加神社の境内の東側に建っている観音堂。

場所から言うと神社の奥の方なのだが、観音堂ということで寺のものと判定した。

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円堂の伽山霊堂。

観音堂とは渡り廊下でつながっているので、寺のものと判断。

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その奥には宝形造の観音堂がある。

まあ、寺の建物だろう。

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さらに奥には多宝塔。もしかすると神社かも。

尾垂木の先端が龍になっているような江戸後期の塔で、県重文。

境内には他に鐘楼、棟門。

(2001年05月01日訪問)