常福寺

反りのきつい屋根はスレート瓦葺きで苔むしていた。

(岩手県遠野市新町)

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寺町めぐり3軒目の寺。

入口は小さな小さな四脚門がある。一般的には薬医門よりも大きな規模の門を立てようとしたときに四脚門という形式をとるのだが、この寺の四脚門は一般的な薬医門よりも規模が小さい。しかも屋根が入母屋造というのも珍しい。

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本堂の屋根も少し変わっていて、異常に反りのきつい寄棟造。瓦はスレート瓦で苔むしている。

本堂の左側には六地蔵堂、右側には庫裏。

向拝は赤い唐破風で、その左側にも玄関のようなモノが付いている。一般的に玄関は本堂と庫裏のあいだに別棟として建てられる建造物なのだが、庫裏から見て本堂の反対側に付いているというのは、意味不明だ。

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鐘楼は袴腰鐘楼と言えば言えなくもないが、どちらかというと基壇の石垣が高くなった単層の鐘堂というのが正しい表現かもしれない。1階部分はすべて石垣で内部にはいることはできない。で、どうやって2階に登るのかというと、庫裏の2階から渡り廊下がついている。

この常福寺、変な寺だというほどではないのだが、全ての建物が少しずつズレている、そんな印象の寺だった。

(2000年10月07日訪問)

図解/古建築入門: 日本建築はどう造られているか

単行本 – 1990/11/1
西 和夫 (著)

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寺院建築の架構が最も理解しやすく書かれている本だと思います。