

駅や一般の建物ではさして珍しくもないエスカレーターだけどお寺にあるとなぜかドキドキしてしまう。

エスカレーターを登ったところに六角堂があった。

観音のある山頂には仏舎利塔がある。
残念ながら工事中であった。

観音の足下にある不動堂。

観音の建立は昭和45年。鉄筋コンクリート製で高さは48.5m。建立したのは市内にある石応寺である。
形式は
入口は基壇のように見える建物の2階にある。

観音の構造図。
観音は外皮が構造材になっている。いわゆる鉄筋コンクリート建築の「壁構造」という手法だ。
中心には鉄のパイプが通っていて、柱の代わりをしている。柱の周囲は螺旋階段になっていて内部は12階だ。

背面から見ると衣が後ろになびいていて、構造的な強度を増すように造られている。これは(いずれ紹介することになるが)宮城県の船岡観音と近いスタイルだ。

さていよいよ観音の胎内へと入っていく。

基壇の護符売り場では、ミニチュアの観音像を売っていた。
あとで置く場所に困りそうだから買わなかったが、大観音や大仏のミニチュアにはちょっとときめくものがある。

基壇の中は普通のビルみたいだが、階段を上ると壁が円柱に生っている場所がある。
これが観音の心柱の螺旋階段だ。

最初にあるのが万体観音の礼拝所。

中央のパイプには石仏の七福神が納められている。
基壇から観音の胎内に入るとまず最初にあるのが弁財天だ。この弁財天、グラマー系で、いわゆる巨乳。

仏像は砂岩のような茶色のざらついた石で作られているのに、バストだけは観光客の手垢で黒光りして御影石のようになっているのがすごい。

パイプの中を登っていく。
階を上がると三十三観音の展示場がある。

ここの観音様も巨乳ぞろい。
だが観光客もそろそろ飽きてきたのか、セクハラの跡は少なくなってくる。

自由奔放な作風だな・・・。

なんか見たことがない印相。

創作仏像が多いようだ。

だんだん観音なのかどうかもわからなくなってくる。

9階にある観音の奉納所。

11階からは外に出ることができる。

こうした無茶な外部通路が大観音の最大の楽しみだ。
ここはちょうど魚の背中の部分にあたる。

鉄柵一本で魚の背に立つ。こういう無茶さ加減が昭和40年代を感じさせてたまらない。この観音が建てられたのは大阪万博と同じ年。東京タワーに特別展望台が造られた2年後にあたる。高層建築が小宇宙だった時代の最後の残り香である。
現代では工法も進歩しているが、こういうスリリングな設計がなくなり、大味なものばかりになってしまっているのが残念だ。

足元も手すりもしっかりしていて、安心して景色を堪能できる。
釜石湾が一望できて素晴らしい眺めだ。

魚の上から釜石市街地の方向を見てみる。
これから訪れる橋上市場はこの水道のどん詰まりにある。

胸の谷間から観音様のお顔を見上げる。大観音もかなりの巨乳さんなのである。

最上部にはうす暗い階段があった。先を覗いてみたが、扉で行き止まりになっていた。

工事中だった仏舎利塔がここからのほうがよく見える。
(2000年10月06日訪問)