新長谷寺を見おえて、次の寺へ向かおうとしたとき、参道のはるか先に黒っぽい建物が見えた。寺との距離は3~400mくらいはあろうか。かなり離れているので最初は造り酒屋の蔵かと思ったが、どうも寺の総門のようである。距離があるので車で移動することにした。
遠くに見えていた門は巨大な薬医門であった。
通常は薬医門といえば一間のものが多いが、この門は三間一戸で自動車が通行することもできる。
そらく薬医門としては国内最大級のものではないかと思う。
門前にはちょっと古い町並みが残っていた。常夜灯があり古い街道であったろうかと思わせる道である。
写真の民家は妻が水色に塗られていて、とてもおしゃれだ。
門前はひなびた商店街になっていて、わずかに蛇行しながら続いている。
ひなびた商店街の必須アイテムとも言える“親子UFO水銀灯"が常夜灯と新旧の対比を見せ、いい味を出している。
私はいわゆる復元とか修景された町並みよりも、こんな“親子UFO水銀灯"が似合う街の方が好きだ。こういう風景こそが、町並みの歴史を正しく証言するものなのだと言えないだろうか。
(2000年04月30日訪問)
お屋敷拝見 新装版 (らんぷの本)
単行本 – 2017/8/23
内田青蔵 (著), 小野吉彦 (写真)
東京近郊には、明治・大正・昭和戦前の歴史的建造物が数多く残っている。建物にまつわる物語を味わいながら、お屋敷散歩を楽しもう!
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