新長谷寺

美濃の法隆寺の異名も。広い境内に重文の堂が並ぶ。

(岐阜県関市長谷寺町)

写真

またの名を「吉田(きった)観音」ともいう。関市の旧市街地にある。

寺の総門は寺からかなり離れた街道筋にあり、そこから寺までは300~400mは引っ込んでいる。

総門は三間一戸の薬医門で自動車が通過できる。そらく薬医門としては国内最大級のものではないかと思う。

写真

参道を進んだところには山門がある。

山門は三間一戸の楼門で、屋根正面に唐破風がついている。

写真

しかし山門以外の諸堂はほとんど室町時代のもので、いずれも重文。めちゃくちゃ目の保養になる寺だ。

「美濃の法隆寺」という呼称もあるらしい。創建は1222年、1300年代の火災で全焼、1400年代に現在の諸堂が立てられたというのだから、法隆寺は言い過ぎにしても、その歴史はすごいものがある。

写真は本堂。本堂の右奥に見える鎮守堂も国重文。

写真

本堂の右奥にある鎮守堂。

こちらも国重文。

写真

本堂の左右にも重文の堂が建ち並ぶ。

手前から釈迦堂、阿弥陀塔、大師堂。

国重文。

写真

薬師堂。

国重文。

写真

三重塔。

国重文。

かなり立派な寺だと思うが、観光客はあまりいない。

観光客は私を除けば外国人の親子が一組だけであった。

写真

本堂の左手の堂の入口で見かけた香炉。香時計(こうどけい)の廃物利用だ。

香時計というのは、お香をすじ状に並べて、それが燃えた距離を利用して時間を計るというものだ。実際には、この上にフタがあるはずだ。香時計にどのくらいの精度があるかわからないが、正確な時間を測定するためのものではなく、寺の行事や修業の時間を決めるために使われたものだ。

写真

境内には茶屋がある。現在は駄菓子屋になっているのがしびれる。

写真

思わず、当たりくじ付きの塩ビチューブに入ったうさん臭いジュースを買ってしまった。案の定まずかった・・・。

写真

経蔵。本堂の右奥の境内の隅っこにある。ほとんど人が近づかないような場所にある。

写真

内部は輪蔵になっていて、彩色されている。

基壇部分の円形の欄干が、なんだか遊園地のメリーゴーランドを彷彿とさせる。

残念ながら戸が閉まっていたので、格子のすきまから写真を写すだけであった。

写真

寺に着いたときは薄曇りの天気で、昼食をとった後ということもあって眠気を誘う時間帯だった。

山門の左手の本坊では庭園の特別拝観のようなことをしていたが、少し無気力になっていたので寄らなかった。これは見ておくべきだった。

(2000年04月30日訪問)