昨晩宿泊した岐阜市に舞い戻る。私には岐阜市に来たら必ず立ち寄る寺がある。かご大仏・正法寺だ。岐阜城へ登るロープウエイなどがある金華山の西側、岐阜公園の近くにある。
大仏殿の外観。
外見は三層。日本建築史のいかなる系譜にも属さない傍流中の傍流で形容する言葉にも苦慮してしまう。内部は吹き抜けになっている。3層部分に隠し部屋があるという情報もあるが未詳で、謎が謎を呼ぶ建築なのである。
白壁に朱の柱というアグレッシブな色彩感覚に加え、一層の軒を支える支柱が周囲を取り巻く様は、異様な迫力をもって迫ってくる。
かご大仏という名前を初めて聞いたときは、目籠などで造られた素朴なハリボテを想像したものだが実際はさにあらず。構造材が木材と竹を使っているというだけであって、大仏は巨大かつダイナミックなものである。大きさは13.7mという。
ところで、大仏の奥にタラップのような細い欄干のついた渡り廊下があるのがわかるだろうか?
このキャットウオーク状の渡り廊下、大仏の顔の前まで続いており、一周することが可能なのだ。
これはぜひとも登りたい、のだが、残念ながら登り口にはカギがかかっていて登ることができない。
キャットウオークへの登り口は、大仏の背後にある。今はただ指をくわえて見ているだけである。
テレビのロケでここに登っている場面があったという話も聞く。きっと私が芸能人か学者にでもなれば、登れるのだろう。
芸能人になって登りたいな。
(2000年03月20日訪問)
日本のお寺・神社 絶壁建築めぐり
単行本(ソフトカバー) – 2019/6/22
飯沼義弥 (著), 渋谷申博 (監修)
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