何度か触れているように金生山は石灰岩の山だ。山頂付近には石灰岩が侵食されてできたカルスト地形があり、その奇景から古くから信仰の対象になっていただろうとは容易に想像がつく。役行者が開いたという伝説もある。
境内で見かけた伽藍配置図。
こういった配置図はだいたい大げさに描かれているものだが、この図に限って言えば逆である。全ての堂が描き込まれていないのだ。実際の境内にはもっと多くの堂がある。
その代わりカルスト地形のほうにある岩の名前などは妙に詳しく書かれている。う~ん、この寺はやっぱり岩がメインなのか?
本堂である。
左右に護符売り場が飛び出したおもしろい造り。
ハイキングに来ていたおばちゃん達の一団が本堂から出てきて、私をいぶかしそうに見ている。実はこの寺には岩屋があると聞いていたので、私の首からは特大の懐中電灯が下げられているのだ。
本堂の内部。祭壇部分にはさまざまな供物が捧げられている。いかにも密教っぽい雰囲気のある
外陣の左手には土産物コーナーがあり、そこに「内陣入口」という立て札を発見。
なんと岩屋は本堂の内部にあったのだ。
順路に沿って進むと、本堂の側面の廊下から内陣に入ることができる(写真左奥通路)。
内陣は岩屋になっていて、この岩窟の奥に虚空蔵尊がまつられているという。内陣はうす暗いが、足元には間接照明があるので懐中電灯は必要なかった。
あまり深い洞窟ではないが、普通では入れないようなところにまでタダで観光客を入れているのは嬉しいかぎりだ。
境内で見かけた縁結地蔵。夫婦茶碗が奉納されている。
堂のまわりには穴あき石も奉納されている。穴あき石は耳や目の病気を治す願掛けに奉納するのが普通だ。縁結びにも効くのだろうか?
鐘楼(手前)と庫裏(奥の建物)。
境内や参道からは大垣市方面が一望できる。
余談だが、明星輪寺へ登る道路も眺望が開けていて、夜になれば夜景がきれいだろうと思う。大垣市の若いカップルにとっては格好のデートスポットとなるのであろう。
(2000年03月18日訪問)
今こそ行きたい日本の神社200選 (TJMOOK)
ムック – 2022/7/26
島田 裕巳 (監修)
本誌は22社、神宮、大社といった社格の観点に加え、地域ごとの特徴的な信仰なども鑑み、訪れるべき神社200社を厳選。その神社ならではの宝物や建築物といった見所を紹介するほか、祭神の歴史や由緒を写真とともに解説します。
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