堂平の水車小屋

県道沿いにある搗き臼1基のシンプルな水車小屋。

(徳島県上勝町旭堂平)

写真

樫原の棚田から県道へ降りてきた。

あれ? 水車小屋じゃないか?

いやまさかね、たった今、畑仕事をしていたおばちゃんたちに「このへんに水車小屋ないか」と尋ねて、「この辺にはないよ、棚田のほうへ行ったらある」と言われたばかりなんですけど。

尋ねた場所から50mも離れてないんですけど~?

写真

また体験してしまっている「水車失認症候群」。

なぜ地元の人には水車小屋が見えなくなるのだろう。

別の人に聞き込みをしたらこれは個人所有の水車で「岡田さんのクルマヤ」と呼ばれていたそうだ。

写真

波トタン葺き、しかも錆が浮いているという、非観光水車の典型的なたたずまい。これこそ実用水車のありがちな遺構。

好きだなぁ。みんなもっとこういう水車を見ようよ!

小屋の左隣には消防倉庫がある。

写真

水輪は小屋の裏側にあったようだ。

写真

つまり、谷川の少し高いところから取水して、上掛けで水輪に落としていたのだろう。

水車小屋を作るのに好立地だ。

写真

中を覗いてみると、水輪の残骸が投げ込んであった。

臼は搗き臼が1つというシンプルな構成だった。

(2003年05月24日訪問)