安国寺

(岐阜県国府町)

 

この日の旅程の中で安国寺は私にとって期待の寺であった。なにしろここの回り経蔵は室町中期の建築で国宝。内部の経棚は国内最古のものだという。つまり、日本における回転系の建物の起源が見られるからである。

寺は日当たりのよい小高い丘の上にあり、谷あいの景色を一望できる。駐車場には地蔵堂があった。(左写真)

寺の全景。駐車場のアスファルトは乾いていて、先ほどまでの雨がウソのようだ。

山門は四脚門。本堂、庫裏が見える。庫裏の右手の山上に鐘堂があった。

本堂と玄関。(左写真)

ここまで来てもまだ経蔵の場所がわからない。もしかして、場所を間違えたか....。

本堂の西側には薬師堂と地蔵堂。(左写真)。

本堂の裏のほうへいざなう通路がある。

その奥には弁天堂(左写真)。

そして、弁天堂のさらに奥の、杉林の山の中に、目的の経蔵があった。

入母屋こけら葺き。全体の意匠は唐様であるが、組み物はいたってシンプルな“出三ツ斗(でみつと)”のみ。垂木は“まばら垂木”というにはまばらすぎる、一種の“化粧屋根裏”と言ってもいいだろう。これが国宝の貫録ってものなのか。(あっ、そいえば鹿苑寺六角堂の軒もこんなだったなぁ。そういうワケだったのね。と、今ごろ気づいても遅いのだけれど。)

内部には入れなかったので、格子のすきまからデジカメだけを挿入し撮影したパノラマ写真がこれ。

輪蔵全体は近年の補修を受けていて、かなりの部材が後補である。普通、輪蔵は大きな紡錘形の独楽(コマ)に把手がついたような形をしていて、“いかにも回転します”“さぁ回せ、回してください”といった造りなのだが、面白いことにここの輪蔵は基壇の部分は八角形で床に固定されており、その基壇上に回り舞台のように円形の切り込みがあり、基壇から上の書架の部分だけが回転するという構造になっている。しかも把手もない。言ってみれば、積極的に回転させるという造りではなく、秘密のカラクリという感じなのだ。

それにしても日本最古の輪蔵にしては仕掛けが完成されすぎていやしないか。私見だが、輪蔵は日本に上陸する以前に既に中国で完成されていたのではないだろうか。

経蔵の横には稲荷社があり、その横に塚があった。

塚の上には一風変わったお稲荷さんがいた。