土成町のAP-1

タバコ畑で専用作業車AP-1を見かけた。

(徳島県阿波市土成町高尾熊の庄)

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四国霊場第7番十楽寺の南側あたりをブラブラしていたときにタバコ畑を見かけた。

地形は緩い傾斜のある扇状地だが土地改良されていて、畑は間口30m╳奥行き100m = 30アールの短冊状の長方形で耕作はしやすそう。

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許可証を見ると、耕作者は7ヶ所の圃場を持っているようなので、30アール╳7ヶ所 = 推定2.1ヘクタールくらい耕作しているのかもしれない。

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枕地にAP-1が駐車してあった!

屋根が付いている。

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AP-1は右側に運転席とエンジンがあり、おそらく鳥居型のフレーム内にチェーンとシャフトが通っていて、反対側のクローラに動力を伝える構造。

この構造でタバコが育っている畑の畝の中に入って作業できる。

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畝間にクローラのワダチがついていた。

想像だけど、葉の収穫は2人で内側の株から収穫し、農薬散布などシンプルな作業では2つの畝に同時にできるんじゃないかな。

他の作目でも畝間に入っていける中耕用の管理機はあるけど、すべて歩行型。AP-1は乗用で座って作業できるの点が特長だ。タバコ以外の作目にも使えそうな気が・・・。

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操縦席を近くで見てみた。

左から、銀色のフックのアクセル、パーキングブレーキ、動噴用の操作レバー、左クラッチ、シフトノブ、右クラッチ、全体クラッチ。全体のクラッチに高速(移動時?)と低速(作業時?)があるので、スピードは実質的に前進6速、後進2速で、アクセルは操作しないはず。

左クラッチ/右クラッチはレバーとペダルが繋がっていてどちらでも操作できるのではないかな。おそらくクラッチを切るとクローラーへの動力伝達が遮断されて、そちらへ信地旋回するという運転方法。

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畑の両端の枕地(まくらじ)。「枕地」とは耕作機械が転回するための余地でここには作物を植えることができない。

AP-1の枕地は1.5mほどで、トラクターに比べると短かく、切り返しをせずに1つ先の畝に入れるようだ。

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AP-1のキャリア。

AP-1は公道を走れないので、小型トラクターで圃場から圃場へ移動させるのだ。

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近年の耕作機械って値段がスポーツカー並みになっていて、デザインも華美を極めて、悪く言うとヤンキー的。

それに対してAP-1には葉タバコに特化したプリミティブな機能美を感じる。

(2010年07月04日訪問)