若宮井路 鏡石拱橋

2連石造アーチでそれぞれカーブが違っている。

(大分県竹田市会々)

昼ごろ竹田市街に到着。雨も少し小降りになってきた。

市街で最初に向かったのは若宮井路(いろ)石拱橋(せっこうきょう)

「井路」とは大分県の言葉で用水路のこと。「石拱橋」とは石造アーチ橋という意味である。

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県道をまたぐように作られた農業用水の水路橋だ。

用水は現役だ。左側の山と右側の山を地下水道で結んでいるのだが、この谷の部分だけ地表に出ている。

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アーチは2連で、県道47号線と濁淵川をまたいでいる。アーチはそれぞれにスパンもカーブも異なっている。

スパンごとに橋脚に掛かる力が異なるので、ちょっと不安定なのではと思ってしまうが、両側が山つきになっているので、大丈夫なのかな。

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キーストーンには「若宮井路」と書かれている。

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裏側のキーストーンは定礎で、「明治四十三年四月成功」とある。「成功」は本来は事業が完了するというような意味なのだ。

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反対側から見たところ。

電柱の電線と電話線がアーチ挟むように通過しているのが面白い。

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川の水は雨ですごく濁っている。

一般に河川が濁るのは上流のダムが放水するときが多いのだが、この川の上流は棚田と森があるだけなのだ。

川の名前が「濁淵川」というのは、濁りやすい川という意味なんだろうか。

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県道をまたぐ部分は現代では幅がちょっと不足していて、歩道がなのでトラックなどが通ると歩行者は怖い感じだ。

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現在この橋の上には国道57号のバイパスが建設されている。この道路が完成したら、県道を通る自動車は減るだろう。

(2012年03月23日訪問)