観音寺山門から短い石段を降りて、もういちど参道を登り返す。
裏山にある愛染堂へ行くためだ。
石段を上り詰めたところには小さな鐘堂がある。
半鐘がかかっている。
そこから右のほうへいくと愛染堂。
愛染堂は方3間、宝形の仏堂で国重文。
江戸初期の建物で、伝説によれば藩主が日光東照宮造営にかかわり、帰郷の際に宮大工を連れてきてこの堂を建てたという。
地図によれば願成院本堂となっているが、願成院はもしかして観音寺の院号か?
観音寺の方丈から、愛染堂方面へ秘密の階段がある。
以前、二戸市でみた成田山本堂を思い出す。
愛染堂は基礎が亀腹、扇垂木、全体的に唐様の意匠。
江戸初期というけれど、部材全体が新しく感じる。蔀戸や桟唐戸などは20年くらいの感じだし、外装の木材のあらかたは大正~戦前くらいの印象だ。
案内によれば一部に室町らしさがあるとのことだが、難しいんだよね・・・室町らしさって。室町時代は240年近く続いて、江戸時代の長さと大差ないから一口で言われてもどうもね。安土桃山らしさってことなのかな。
説明版に本尊が大日如来って書いてある。
じゃあ、実質大日堂じゃないの。
面白いことに、側面3間のうち中央の1間が蔀戸になっている。
大日堂で密教建築なら、前側1間が蔀戸になりそうなものだけど、全体的に禅宗の建物なんだなこれは。
堂の後ろ側に仏足石がある。
昭和21年に発見されたと説明があったが、どこで発見されたのかなどよくわからない。市指定文化財。
その右側には水子地蔵。
寺の裏側の山は公園になっていて遊歩道がある。
裏手から道路が続いているので、愛染堂まで車で乗り付けることもできるようだ。
裏山の公園のほうには石仏が並んでいる。
ミニ霊場だ。
観たときは西国三十三番の写しかと思ったけれど、あらためて数えるとどうも違うっぽい。
かといって、四国八十八番でもないみたい。九州にある八十八番写し霊場のミニ版かな。
ちゃんと確認すればよかった。
ミニ霊場の左の奥のほうに小さな洞窟がある。
中に祭られているのはたぶん弘法大師。
内部にはお祭りで使うローソク立てがしまってあった。
この洞窟、左側にL字に折れていて奥が深い。
地下霊場を造る途中だったのか。
それにしても竹田ってこういう洞窟多いな。町中探したらけっこうありそう。
(2011年08月07日訪問)
福岡県の神社 (アクロス福岡文化誌 6)
単行本 – 2012/5/1
アクロス福岡文化誌編纂委員会 (編集)
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