立沢のハシゴ半鐘

村の小さな広場にある鉄製の火の見。

(埼玉県皆野町上日野沢)

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先ほど高札場のあった門平の集落から等高線沿いにさらに進んだところにあった立沢集落。

ここも尾根の集落で、地滑り地形と思われる。

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その集落の一角、小さな広場というか児童公園にハシゴ半鐘があった。

いや、半鐘は付いていないから厳密にはハシゴサイレンか。

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集落の中央の尾根筋にあたるので、ここでサイレンを鳴らせば集落中にまちがいなく響き渡るだろう。

この場所から右の谷に落ちていく斜面はいまは雑草が生い茂るばかりだが、かつては畑だったのだろう。

じゃがいもとか大豆などを急斜面で栽培したのかもしれない。

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その畑のヘリには大きな桑の樹の茂みがある。

養蚕で使った桑ではなく、鳥が運んできた実生が大木になったのではないかと思う。樹齢は20年くらいか。

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桑畑ではないと思った理由は桑の種類が葉に切れ込みのない魯桑(ろそう)系だからだ。

一般的に養蚕には白桑(しろくわ)系の品種が用いられる。魯桑系は包丁で刻むときに葉の形が扱いやすいからか稚蚕飼育などで使ったという話も聞くが、魯桑を全面的に植えた桑園というのは積雪地帯でしか見ない気がするのだ。

(2013年08月16日訪問)

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建築知識編集部 (編集)
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