猿ヶ京温泉からの帰り。
そういえば相俣ダムのちょっと下流に洗い越しがあったことを思い出し、立ち寄ってみた。
洗い越しとは、道路の上を川が流れている渡河ポイントのことだ。私は20代のころ何度か自分の運転でここを通行したことがある。
洗い越しは沈下橋と似ているが、さらに原始的な渡河方法だ。沈下橋は通常は抜水していて、台風などの増水時には通行不能になるが、それはせいぜい1年で数日だ。洗い越しは川の水量が多いときには通行止めになり、その日数も長い。そのため主に水無し川に作られる。
ここは洗い越しの北岸。
いまは雪解け水でダムからの放水量が多いシーズンだから通行は無理か。
でも見る限り、自動車が通行している様子がない。
2022年現在、地形図を見ると洗い越しの場所は道路が切れている。平成4年(1992)に少し下流に抜水橋が架けられ、ここを通行する人がいなくなったのかもしれない。
下流の抜水橋の定礎には橋の場所に渡しがあったと書かれているが、現在の橋の北詰めは段丘崖だから、旧街道の渡河ポイントも洗い越しの場所かさらに上流だったのではないかと考えられる。
洗い越しの南側に移動してみた。
入口に警告板があり、通行止めになっている。
この警告板は蝶番で表示が上下に替えられるようになっている。いまでも町の職員がこの板を切り替えているのだろうか。それとも25年前に通行止めが表示されたまま放置されているのか。
ちなみに、裏面は無地。別に「お通りください」と書いてあるわけではない。
南側から道を辿ってみたが、かなり荒れていて河畔林になりかけている。
洗い越しだった場所は完全に川に戻っていて、水が引いたとしても通行できそうにない。
行政が洗い越しを撤去したのか、あるいは、洗い越しは定期的に補修しないと浸食作用で自然消滅するのだろうか。
GoogleMapsの衛星写真を見ると、コンクリの路盤がうっすらとも確認できない。やっぱり撤去したのかな。
(2017年05月07日訪問)