一夜明け、四万温泉の朝。
四万温泉はいくつかの温泉街に分散していて、それぞれは少し離れているから宿泊客が徒歩で他のエリアまで散策するということはあまりないだろう。
ここ
この日向見地区の観光の中心が日向見薬師堂。明治時代に文化財に指定された旧国宝で、現在は国重文。
総門は新しいもので、棟門。
少し進むと割拝殿のような
通り土間の部分はかつては壁や戸がなく開放された茶堂のような構造で、病人が湯治をしながら籠もって読経をしたという。
建立は慶長19年(江戸時代初期)の建物と考えられていて、町指定重文。
もし慶長19年が事実なら薬師堂と合わせて国重文でいいと思うが、年代を示す物証がないのかな。
長床の右側には鳥獣魚供養塔がある。
長床と薬師堂はほぼ軒を接するほど隣接して建っている。いずれも茅葺き。
薬師堂は慶⾧3年(安土桃山時代)に真田信之が建立したと考えられ、群馬県にある仏教建築では最古のものとされている。
内部。
全体的に木材が新しく感じられる。明治時代に大改修したのか?
安土桃山時代らしい絢爛さはあまり感じられない。こういう室町建築とされる建物の見かたは私はいまだによくわからないでいる。
この建物が群馬県の寺社建築の最古のもののひとつとされ、仏教建築としては唯一の国重文(※2018年に曹源寺栄螺堂も指定され2箇所になった)というのは、私が寺巡りを始めた十代のころにはどうにも落胆を感じさせるものだった。
西国で国重文や国宝といえば鎌倉時代、平安時代の建物のも少なくなく、しかもそれらは見るからに美しい古建築なのに、群馬で一番の古建築があまりぱっとしない茅葺きのお堂という、その格差に絶望したものだ。
総門の近くには不動堂がある。
薬師堂の横にある日向見の共同浴場。かつて薬師堂のお籠もりで入浴したのはこの湯だったのか。
入浴は無料だが、15時まで。
(2009年05月01日訪問)
