昭和座跡

鍛冶屋原の駅前にあった芝居小屋。

(徳島県上板町七條西栗ノ木)

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現在のJR板野駅から鍛冶屋原までかつて鉄道路線があった。大正12年(1923)開業、廃止されたのは昭和47年(1972)で、鉄道の跡地は道路になっている。

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GoogleMaps を観ると、鉄道の跡だけでなく、駅がどこにあったのかがうっすらと浮かび上がってくる。

この鍛冶屋原の駅前にかつて昭和座という芝居小屋があった。

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聞いた話で、跡地はスーパーになっているというので、おそらくここが昭和座の跡なのだろう。

回り舞台もある本格的な芝居小屋だったという。平場は板敷きで、前列は座布団、後列は椅子になっていた。両サイドは桟敷席で、2階桟敷もあった。

昭和座のことを覚えていた人は、「(まえ)狂言、(きり)狂言」を観たといっていた。これは芝居用語で、2本立ての芝居公演のことだ。ひとつの劇団が1日に2つの異なる芝居を上演した、いまでいう大衆演劇のような舞台だったのだろう。

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末期には映画も上映した。吉永小百合の映画を観たと言っていたので、映画館が廃業したのは1960年ごろではないかと思われる。

その後、芝居小屋の建物は酒屋の倉庫に使われていたが火事で焼けてしまったという。

その跡地にスーパーができたが、それももう廃業してしまったようだ。

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ここが芝居小屋だったという前提でスーパーの建物を見ると、なぜか芝居小屋の姿がダブってくるのは私だけ?

(2007年12月02日訪問)