
鳴門市から旧撫養街道を西に進む。
撫養町木津を出ると街道はしばらく田園の中を進み、次の大きな集落は「
撫養街道は大谷の町内でこれでもかというくらいに曲がりくねっているので、交通はすべてバイパスの新道を通り、旧道に入ってくるのは住人をのぞけばよほどの街道好きだけだ。

この町には芝居小屋のひとつもあるだろうと当たりをつけ、道を歩いている老婦人に尋ねると、「この先に
行ってみると五分利屋はもう店じまいしてしまっていたが、倉庫はすぐにわかった。

この倉庫が大麻座跡。
周囲の建物は当時のままで、芝居小屋だけが倉庫になっていた。そのせいか、ただの倉庫なのにどこか芝居小屋のような雰囲気が感じられる。
逆に、立江の映画館なんかは、映画館の建屋は残っているけれど倉庫みたいな外観だった。

ところで、老婦人からこんなことを言われた。
「私、たぶんあなたを存じ上げてると思います。矢野陶苑の若さまじゃ御座いません?」
どうやら大谷を代表する窯元の若旦那と勘違いされたみたいだ。どうも、よく似ているらしいのだ。
今回訪ねた大麻座は、矢野陶苑の先代が経営していたのだという。芝居小屋として建てられ、映画を上映したかどうかは確認できなかったが、たぶん上映していただろうと思う。



(2007年01月21日訪問)