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倉吉市街を離れて、伯耆大山方面へと向かう。行く先に大山の特徴的な山容がせまってくる。
旅の往路では大山の南側を巻いて倉吉へ来たので、帰路では北側を巻く計画だ。もちろん、通り道に寺があれば立ち寄りながら行くことになる。
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大山北東麓の里山に次の目的地大日寺がある。宗派は天台宗。GWの里山には花が咲き乱れ、気持ちがいい。
さて、知らない土地でどういうふうに寺をセレクトしていくかというと、私の場合はまず第一に堂宇が多いこと、次が歴史が古いこと、次いで文化財があることである。
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だがその寺に堂宇が多いかどうかは中々事前には確認できず、結局は歴史と文化財の有無でまず寺を選ぶしかない。(この当時はまだインターネットで衛星写真を確認できなかった時代なのだ。)
この寺は、平安初期に円仁が開き、全盛期には40の僧房を有し、三仏寺や大山寺にならぶ大寺院として栄えたという。もちろん現在までにすべては灰燼に帰して、地方の小寺院になってしまっているようだが、もし何かの間違いで全盛期の規模を残しているかもしれないので確認しておきたいのだ。
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だが、現在の大日寺は普通の地方寺院だった。
寺は道ばたにあり、山門はなく、短い石段を登るとすぐに庫裏がある。
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庫裏の左側には玄関、その左側には客殿。
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そのさらに左側に位牌堂があり、本堂は庫裏の並びとは直角に配置されている。
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本堂の背面側から見た位牌堂。
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本堂の背面にはRC造の宝物庫があり、阿弥陀如来が祀られている。鎌倉時代初期の作で国指定重要文化財。
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鎌倉時代といっても、教科書的な鎌倉仏ということではなく、作風からいえば平安仏だ。
たいへん美しい顔立ち。
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本堂の左には質素な堂と、鐘堂がある。
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これが本堂の左にあった質素な堂。一見すると「板倉?」と見えてしまいそうな建物だが、仏堂。
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内部にはよくわからない仏像が納められていた。
風化が激しく、見ただけでは何だかわからない。
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大日如来だろうか。根拠はないが。
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鐘堂。
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本堂にも仏像があるというので見せていただいた。
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薬師如来立像。平安中期から後期と推定され、県指定文化財。
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衣紋の表現が素朴だが、かなり味のある仏像だ。国重文の阿弥陀如来よりもこちらのほうに魅かれてしまう。
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十一面観音。平安時代の作と推定されるというが、私の眼力ではよくわからない。
おまけに影になっていて暗くてうまく写せなかった。
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傳教大師像? 右手にはもともと錫杖を持っていたのか。
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こちらは石造の大日如来。
こうした古い仏像が多くあることから、この大日寺がかつて名刹だったことが伺える。
(2005年05月04日訪問)