服部直地は豊中市の高台にあるため池を中心とした広大な公園だ。あまりにも広いのでまともに園内を探索していたのでは時間がかかっしまう。そこであらかじめ航空写真でだいたいの見当をつけておいたポイントへと向かう。
駐車場から近かったのはなにより。駐車料金は最初の1時間まで400円で、公園としては高い。なにしろ写真数枚を撮るだけの滞在時間なのだ。年末年始休業のため無料開放されていたので助かったが。
駐車場の一番奥まで進むとすぐにタコ山の場所はわかった。しかもタコ山の手前には石の山もあるではないか。ふたつの山の間は50mくらいしか離れていない。
石の山は鮮やかなパステルカラーで塗られていて、なんだか美味しそうだ。塗装もまだ新しいし、落書きがほとんどない。後ろに見えるピンクのタコとのコントラストもよく、よい色づかいだと思う。
手前は円形の砂場になっている。そのデザインに合わせたのだろうか、タタキも円形になっている。いままでに見たことのない形状のタタキだ。
背中には直線的な階段がついている。しかも傾斜は緩い。
背の高さも低めである。
スロープ部も比較的傾斜が緩く、小さな子供でも遊べそうだ。
左写真は左肩のアーチ部。コンクリの肉厚やカーブがメジャーな感じのラインで構成されていて気持ちがいい。
左わきの下の滑降部は斜面から水平面への変化が急で段差のようになってしまっているのが残念だ。
続いてタコの山。紫がかったピンクと水色で塗られていて、やはり落書きはほとんど見られない。目の位置は私ならもう少し下に描くと思うが、表情も明るく愉快だし、色の使用量を押さえた色の使い方は安心して見ていられる。
肩はナデ肩。頭部は卵形。
唇は「チュー」っとつき出した形。
ただし口の滑降部や左胸の滑降部は恐ろしく急だ。今までに見たタコ山の中でも最も急な滑降部ではないだろうか。ほとんど絶壁に近い。しかもタタキの部分で急激に角度が変化しているので滑るのにはあまり適していないかも知れない。
横には子ダコがいる。
吸盤の数もほどよく、かなり厚みがあるのも特徴。
モルタル本来の色は紅色に近い赤。
肩甲骨から頭部にかけてのカーブの収め方も美しく、原形の鉄筋の作成者の非常に高い造形力がわかる。
おそらく石の山も同じ作業者なのではないか。
背中はドーム型でカスガイは2列。
うなじの穴は馬蹄型である。
右手部分の滑降部は激しくすり減っていて、コンクリートが露出している。
このタコ山は口の部分の角度が急すぎるために、比較的滑りやすい手の部分で遊ぶ子供が多かったに違いない。
左わきの下の滑降部もいただけない。
滑りだし部分はとてつもなく急角度で、カーブ手前で急激に平坦に変化する。そのため左写真のカーブ部分だけがすり減っていて、残りの部分はほとんど斜度がない。
このタコ山はボディーの造形に対するレベルは高いと思うのだが、肝心の滑降部がどうも遊びにくく作られているのが残念である。
(2003年12月30日訪問)
神木探偵 神宿る木の秘密
単行本 – 2020/4/10
本田 不二雄 (著)
「神仏探偵」と称し、いまだ見たことのない仏像を日本中に探し求め、その謎に迫った『ミステリーな仏像』(駒草出版刊)の著者が、今度は「神木探偵」となって、全国津々浦々の「すごい」御神木を探査しました。
amazon.co.jp