法眼寺

小さい寺だが楼門が2つある。

(岡山県美作市林野)

吉井川をさらに上流へ。そのままずっとさかのぼれば以前訪れた柵原鉱山をへて津山市へと至る。津山市は今夜の宿泊予定地だ。

だが、途中吉井町で支流の吉野川に沿ったルートを選んだ。ここから美作町を経て、岡山県の北東部を目指すのである。美作町は以前の山陽の塔巡りの旅の最終到達地で印象深い場所だ。思えばあのときも美作町では水車を探していたのだ。結局、見つけることはできなかったが。

そしてそのとき心残りだったのが、湯郷温泉で日帰り温泉に入れなかったこと。そこで後日ドライブで訪れてあらためて湯郷温泉に入ったのだった。これはそのついでに町内を走っていてたまたま立ち寄った寺である。

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そこは町の中の旧街道だった。とりあえず知らない町では旧道を通ってみるといろいろと発見がある。

古い家並の中に、一間一戸の二重門が建っていた。

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ん~、どこかで見覚えがある!! 常滑の法通寺という寺の山門とよく似ている。花頭窓も同じだ。

法通寺の門は4本の柱だけで自立していた薬医門もどきだったので、不安定な不気味さがあった。

こちらは四脚門の上に櫓が載ったような門で楼門としての基本フォーマットをかろうじて満たしているのでインパクトは弱いが、それでも不気味なイメージの門だ。法通寺も浄土真宗だったので、これは突然変異ではなく、もしかして普遍的なデザインなのか。

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境内は街道筋の町屋の地割りで、短冊状に奥に長い。

右奥に見える城みたいな建物は庫裏だ。

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庫裏の上に煙出しの櫓が載っているのだが、どうにも城っぽく見える。

まあそれが浄土真宗らしいといえばらしいのだが。

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庫裏の側面は玄関になっていた。

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本堂。

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本堂の左側には鐘楼門があった。

ひとつの寺に2つの楼門があるというのはめずらしい。

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本堂側から山門方向を見たところ。

山門の背後に見える山のふもとには安養寺という寺があり、以前に立ち寄っている。徒歩5分くらいの距離だ。

(2011年02月26日訪問)