仕事場で、作業用具の土台になる玉切り丸太が必要になり、製材所に買付けに行った。
日本ならこういう場合、大きめのホームセンターに行けば希望の材が手に入るが、カレン州にはホームセンターなんてない。何を買うにも専門店なのである。
製材所は、サルウィン川に面した場所に何軒か集まっているようだ。もちろん、材木を川から荷揚げするためである。
製材所の外観や全景の写真がなく、いきなり売り場(?)の写真になっているのは、この日デジカメのメモリカードがエラーを起こし、途中からカメラで認識できなくなったため。
いったんは昨日の寺巡りの写真データを含めすべてが読み出せなくなったが、その夜、修復ツールでほとんどの写真はサルベージできた。(動画はすべて失われたが。)
製材所の入口にはものすごい大径木の材が積まれていた。
「ウチはこんな材木でも仕入れられるんだぞ」と誇示しているのだろう。
ミャンマーには広大な森林資源があるが、その規模や伐採量などは正確には把握されていない。一説には3/4は密輸であり、主に中国やタイに運ばれているという。もちろん、そんな調子だから伐採しているのは人工林のはずがなく、自然林の森林が急速に失われているのが実態だろう。
実際に販売の主力はこんな感じの板や柱である。
工場の中には従業員宿舎っぽいものが並んでいた。
空間をうまく使っているともいえるが、居住性は悪そうだなあ。
丸ノコ盤の目立てをしていた。
材木を手前の台車に乗せて、タテ挽きしていくのだろう。
製材所の兄ちゃんに希望する玉切り丸太のサイズを伝え、原木置き場を物色する。
原木置き場は、サルウィン川に面していて、川から直接木材を荷揚げしているようだ。
昨日みたパゴダのある製材所よりも、荷揚げ場の作りはぞんざいだ。ウインチを使って強引に引き上げていた。
「これなんかどう?」
「ちょっと太いし、形が悪いなあ」
「これはどう?」
「いいんじゃない」
「じゃ、切るわ!」
大胆に目見当で丸太を玉切っていく。
しかも作業着はタンクトップという軽装。
丸太の値段は意外に高かった。日本での末端価格の半額くらいじゃなかろうか。
日本人が買いに来たのでぼったくってきたという感じでもない。(ミャンマーでは観光地を除けば、基本的にぼったくりはない。)
カレン州での所得は日本人とくらべて1/10くらいだが、物価すべてが1/10というわけではないのだ。果物などは確かに安いが、商品によっては日本と大差ないものもあるし、日本のホームセンターで扱っている格安の日用品や家具類のようなものが日本より高かったりする。そのせいで買い物をするときにに、意外なものが高かったり安かったりで、桁を間違えてしまうことがよくある。
(2015年11月23日訪問)
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