トーノエロンパゴダを過ぎた辺りから、路面が急に荒れてくる。航空写真では路面の状況は区別できないのだ。これは思ったより大変な行程になりそう。
同じ未舗装でも平たく踏み固められて舗装道路のように走れる道もあるのだが、いま進んでいる道は雨季にぬかるんで深いワダチができていたり、そのぬかるみをなんとかしようと野球ボールくらいの大きさの石がごろごろと転がっていたり、いままでカレン州で経験したことのないひどい悪路になった。
でもこんな悪路にも日本が寄付した小さな橋があった。
目指すノゥトゥディの山並みも近くなる。
山麓の林の中には樹に隠れて点々と小さな村が続いていた。村の名前は、北から順にタウカレイ村、クロタゥン村、ラッサン村、セリニャン村というようだ。
村の中はさすがに悪路も一段落。
最初のタウカレイ村を過ぎ、村外れまで来たところに茶堂があった。
日本でも茶堂は村外れに作られることが多いように思う。その理由を悪いものが村に入ってくるのを回避するためではないかと考察した。
つまり、悪霊的なもののヨリシロ的な装置であったり、漂泊者を野宿させるための宿なのではないかという考えだ。あるいは、純粋に村の境界を知らせるためのものかもしれない。
ミャンマーの茶堂では、親しいもの同士が中でくつろいだり、雨宿りをしたりしているのを見たことがある。あるいはバスやタクシーの待合所という用途もあるようだ。もっとも、このような辺鄙な村にはバスもタクシーもないが。
茶堂の前は広々とした沼で、蓮が水面を埋めていた。
乾季でも水があり、農業にも向いた村のようだ。
(2014年11月08日訪問)