
これから紹介するのはその雄川堰の上流部分だ。
この地域では、雄川堰は左写真のように三面コンクリートで固められていて、歴史的な風情はまったくない。

そこに江戸末期に作られた水道橋があるので立ち寄った。
道から見ると、農道の橋と一体化しているので、ちょっとわかりにくい。

反対側から見てみると、雄川堰が小さな谷を越えているのがわかる。ただし、谷川も3面コンクリートなので、風情はかなり削がれてしまうのが残念。

石材は緑色片岩。
鏑川の南岸は三波川変成帯という地質で、このような緑色の変成岩を産する。変成岩はもともと層状に剥離する性質があるので、この地方では板碑によく使われている。
それを石板に加工してこのような橋を造ることを思いついたのだろう。隙間は精密に継いであるが、どうしても水漏れはしてしまうようだ。

石樋の横で、搗き臼がころがっていた。
ここに昔、水車小屋があったのだろうか。
(2008年07月12日訪問)