白倉の集乳所と同じく、道を間違えたときに偶然みかけた物件。
板倉と思われる建物である。
板倉は本サイトでは初出になる。
「板倉」は古い形式の倉庫で、柱に溝を切り、落し板をはめ込んだ構造をしている。一般的に板倉の用途は穀物の貯蔵である。
板倉は主屋が火災になったときにも類焼を防ぐため、主屋と離して建てるという話もある。
実際にこの物件も、農家の庭のような場所に建てられている。
この板倉がどのような用途に使われていたのかはわからない。
四面のいずれにも取出口がないことから、穀物を入れながら落し板を足していくような使い方だったのだろう。
この板倉を所有していると思われる家。
よく見ると、2階の床面が出梁になっていない。また、屋根の軒もせがいになっていない。つまり、1階、2階が同じ平面でその上に屋根が載っているというシンプルな作りである。
出梁方式と比べると1階に対する軒の出が不足し、雨が吹き込みやすいと思われる。こうした構成の建物は、明治中期~末ごろに一部で建てられたともいう。藤岡市の国指定史跡「高山社」に現在残っている主屋もこの構造だ。
残念ながらこの板倉は2021年現在、存在していない。
(2013年04月03日訪問)
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