山王廃寺があるあたりは、養蚕農家が密集した集落になっている。急ぐ旅ではないので、集落を一廻りしてみた。
この家は、山王廃寺の講堂が建っていたあたりにある巨大な農家。二軒がつながったような造りになっている。先代(大正ごろか?)のときに蚕種業(蚕の卵の製造販売)をしたことがありそのときに増築したのだという。
まるで城門のような巨大な長屋門のある農家。これ、主屋ではなく門である。
門の中でも養蚕をしたのだろう。
大きな煙出しのある農家。庭も広く、視線を遮るような造園に豊かさを感じる。
小さな櫓を連ねた農家。
左勝手(入口の土間が左側にある造り)の玄関を持った農家。かつて養蚕がいかに富をもたらしたのかがよくわかる。
中央に玄関を持つ農家。煙出しは大棟いっぱいに続いている。
農村の出身の人が、「自分の実家には部屋がいくつあるかよくわからない」というようなすごい発言をすることがあるが、きっとこういう農家なんだろう。
キレイにしつらえられた防風垣(かしぐね)。群馬らしい風景だ。
道ばたの倉庫の天井に
敷地の柵には
群馬県の蚕箔は六芒星のような篭目に編んであるので装飾的にも美しい。たまに農家の庭などで柵として使われている。
(2007年05月03日訪問)
近代別荘建築 歴史を繫ぐ建物とその物語 (味なたてもの探訪)
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十代田 朗 (監修)
わが国における別荘・別邸のルーツは古く、平安時代の貴族の別業、江戸時代の大名の下屋敷、隠れ里の侘び住まいから天皇の離宮までさまざまな形が見られる。
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