三滝寺。広島市の西部の山並みにある寺。境内は左図のごとくで、谷に沿っていくつもの建物がある。
境内は庭園のように丁寧に整備されていて、観光で行っても満足できるだろう。北鎌倉にありそうな感じの寺と言ったらわかりやすいだろうか。
寺に行く途中の道にあった茶屋。営業しているかどうかは微妙な感じだったが、いかにも大寺へ続く参道という風情が気分を盛り上げてくれる。
寺の駐車場付近にあった寺務所。ここは観光客が入るような場所ではない。
上の伽藍配置図に該当するのは、次の写真からだ。
ここからが境内の説明になる。なお、拝観料、駐車場代は無料。
境内へと入ると最初にあるのが想親観音堂。中国風の建物だ。
観音堂を過ぎたあたりの順路。風情がある。
境内は全体的にこんな調子だ。緑がきれいで、都会の喧騒を忘れさせてくれる。
鐘堂。
途中に茶店があった。
深い緑につつまれた、赤いもうせんの色が絵になる茶店なのだが、ちょっと自己主張が強すぎる気がする。こんなひねくれたことを思うのは私だけかも知れないが、まるでここが伽藍の中心みたいなのだ。
一般に、風情のある寺は「禅」とか「浄土」というコンセプトデザインである。しかし三滝寺の全体を支配するデザインのコンセプトは「数寄」なのだ。「数寄」というのは、茶室や庭園で使うデザインパターンなのである。
だからあとになって思い返してみると、三滝寺境内の散策は、仏や神を巡拝するという印象ではなく、庭園で茶室巡りをしているような記憶になってしまっている。
もちろん、殺風景な寺よりは三滝寺の散策はよほど上質な体験と言えるのだけれど、「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、この茶店の存在感と作り込みは一線を越えてしまっているように思えてならない。
茶店を過ぎて少し進むと茶室がある。
この茶室は圧巻。まさに数寄のきわみ。
ただし茶室と枯山水庭園は立入禁止だった。茶会などの特別のときにしか人を入れないのだろう。
本坊。かなりの数寄建築。
看板は本坊となっているが、用途的には衆寮か信徒会館のようだった。
現在は使われていない。
続いて、本堂が見えてくる。
懸崖造りの建物。
本堂の床下には滝がある。これもちょっとやり過ぎな感じ。
建物は昭和43年のものだというが、全体的に古式にしてある。悪くないと思う。
東大寺二月堂をイメージしたものだろうか。
本堂内。
宗派である真言宗の様式だ。
六角堂。
堂というよりも
流水灌頂。
新仏を供養する装置。その起源はインドのガンジス川の沐浴ともいわれる。
鎮守社。
幽明の滝、であろうか。
境内には他に多宝塔がある。
これは、原爆犠牲者追悼のために、和歌山県の神社から移築したものという。県文。
様式は和様と唐様の折衷だ。
連子窓になるべきところが、花ざまの格子になっていたり、ちょっとごちゃごちゃした感じの意匠だ。
(2002年08月29日訪問)
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