上宮寺。
妙源寺からJR東海道本線を南に渡ってすぐにある寺。
かつて三河一向一揆の拠点となった三ヶ寺のひとつ。
浄土真宗の巨大寺院にありがちな、学校の校庭のような何もない広大な境内と巨大本堂というパターンを想像していたので、この伽藍には意表を突かれた。
昭和時代に火災に遭い、建て替えられたものという。
本堂はボールト屋根を斜めに切り上げたデザインで、ポストモダン的な意匠を用いた寺としては悪くないと思う。
全体的な雰囲気は、磯崎新風とでも言えばいいだろうか…。
本堂と庫裏は円弧の回廊で結ばれている。
現代建築の寺院と言うと、「現代建築だから伝統にこだわらないけど、お寺だから宝珠つけてみました」とか、「木造だとお金がかかるから、とりあえずRC造打ちっ放しにしてみました」というような逃げ姿勢の設計が多いのだが、この設計にはそういうみみっちさはまったく感じられない。
境内の左半分は火災に焼け残った古い建物が残っている。
経蔵。内部は輪蔵になっているかも知れない。
他に、水盤舎、鐘堂が古い建物だ。欲を言えばこれらの旧来の建築も、連続した景観の中にもっと明瞭に組み入れれれていても良かったのではないだろうか。
不断桜という桜が咲いていた。一年中花が絶えないのだという。
(2002年02月10日訪問)
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