備中国分寺。畑の先の低い丘に五重塔が経っている風景は観光ポスターなどでもおなじみのものだ。私が訪れたときは薄曇り。レンゲの花が咲き乱れていた。
それにしてもこの風景、田舎芝居の欠き割りか、銭湯のタイル絵みたいな不自然さを感じてしまう。それほど現実にありそうにない景色なのだ。
国分寺の建っている辺りはいわゆる風土記の丘になっていて、寺の裏手に駐車場がある。
よって寺へは裏から回り込まなければならない。寺の周囲は(風土記の丘にはありがちだけど、)何もない草地になっている。
ときどき思うのだが、こういう風土記の丘の風景はいつの時代を再現したものなんだろうか。
現国分寺の境内は、旧国分寺の金堂があったあたりになる。したがって、旧国分寺の礎石などは見られない。
山門は薬医門。
境内に入ると正面に玄関(唐破風の建物)。
庫裏(写真奥の建物)、中門(右側の門)。
庫裏の右側を見ると本堂。
そのさらに右側に大師堂。
境内には他に、袴腰鐘楼、五重塔。
五重塔は境内の西のはずれにある。
塔の高さに比べ各層の軒の出も少なく、低減率も小さい。尾垂木などの彫刻もいかにも江戸時代の塔である。塔自体の美しさから言えばそれほど褒められたものではない。
しかしこの塔の場合、背が高いことで遠景からも目立つ。いかにも江戸期という塔でも、周囲の風景とセットで見たときにはそれなりに映えるものだと知った.
(2001年05月01日訪問)
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ムック – 2022/1/25
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