生石神社・石の宝殿

巨大な石塊「石の宝殿」が御神体。裏山からの眺めも良い。

(兵庫県高砂市阿弥陀町生石)

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日暮れ時の山陽本線に乗って加古川の鉄橋を渡った経験がある。車窓から南の方角を眺めていると異様な形をした山塊がシルエットとなって目に入ってくる。その山腹にぽつぽつとともる電灯を見ながら「ああ、あの山腹にはきっと寺か神社があるんだろうな」などと思っているうちに電車は宝殿駅へと滑り込む。流れすぎるホームの案内板に神社の案内が見えた。細かくは読めなかったが、漠然と「この神社にはいつか来てみたいものだ」と思ったものだ。その思いが実現しようとしている。

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神社の名前は生石(おうしこ)神社。通称「石の宝殿」という。駅名の宝殿はここから来ているのだろう。

入口には割拝殿(わりはいでん)ふうの舞台がある。割拝殿というのは、中央部に通路があり下足のまま通行できる拝殿のこと。ただし、斜面にある寺や神社では往々にして舞台(見晴らし台)もしくは楼門の代用として機能しており、拝殿としての役割は持たない場合が多い。

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この割拝殿も完全に見晴らし台となっていて、高校生のカップルがデートしていた。まだキスも交わしていないだろうと思われる二人の周りにはまったりとした空気はまだなくて、お互いを探り合うようなむき出しのオーラと惜しげもないフェロモンの香りに当てられて、こちらまでちょっとどぎまぎしてしまった。

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さて、舞台を過ぎるとまた割拝殿がある。

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割拝殿の内部は護符売り場になっている。

そして、その奥にまた割拝殿。なんと割拝殿の三連続だ。

最後の割拝殿から中は拝観料が必要。(金額は失念。100円だったか?)

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最後の割拝殿の中は絵馬堂になっている。

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割拝殿を出たところ。左側の壁のように見えるものが御神体の石の宝殿。

四角形の敷地いっぱいいっぱいに四角形の巨大な石がある。

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御神体はほぼ立方体(サイコロ形)でひとつの石でできている。その周囲の壁もひとつの石なのである。

御神体の周囲は一周できる。

御神体は池の上の中空に浮いているように見えるが、実際は下部がえぐってあるだけで見えないところで接地している。

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伝説によれば大己貴命と少彦名命が一夜のうちに石の社殿を造ろうとしたが、途中で夜が明けたため作りかけのままになったという伝説があるそうだ。そのため御神体は社殿を横に寝かせたような形をしているという。

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いったん外にでると、裏山へ登る道があったので行ってみる。

石段も巨大な石に切り込みが穿ってあるだけである。全山がひとつの石でできているということがよくわかる。

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途中、御神体を上からながめることができる。

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山頂までのぼると加古川の市街が一望できる。写真は御神体と3つ目の割拝殿(奥の千木を上げた屋根)。

山頂からは高砂市街地から海までが一望できる。

視線を左のほうへ向けると、播磨アルプスと呼ばれる山並みが見える。いつか登ってみたい山だ。

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境内には他に末社×5、神楽殿×2(初詣や節分のための頒布所?)、社務所および別当寺。

私と高校生のカップルをのぞけば他に観光客は2~3人といったところだったが、山頂からの景色もよいので観光で行くにはお勧めの神社である。

(2001年04月29日訪問)