
八幡町の東のはずれ、和良村に近い辺りにある鍾乳洞である。
内部は「立体迷路型」と呼ばれる形式になっていて、世界的にも珍しいものだという。通路は螺旋状になっているというから、言わば「サザエ状の穴」ということになる。さざえ堂マニアとしては、これは行かねばなるまい。

立断面。
ちょっとわかりにくいが、山麓の入口から入って、螺旋状の洞窟を上りながら、山頂の出口から出てくるという鍾乳洞なのだ。
全長は2km確認されており、そのうち公開されているのは600mという。
入場料は800円。

鍾乳洞のある山はいわゆるカルスト地形だ。洞窟があるというより、おそらく山の内部は侵食でスカスカなのであろう。

入口だ。涼しい風が吹いてくる。いよいよ立体迷路と呼ばれる洞内へと入る。

大滝鍾乳洞に続いて、立派な鍾乳石がいっぱいだ。しかもまたもや無粋な金網がない。

昭和の鍾乳洞観光にありがちな、毒々しい色の照明。

これはこれでおつなものですな。

生クリームが滴ったみたいな鍾乳石。美味しそう。

天井も床も乳白色の鍾乳石だ。こういう場所を土足で歩ける鍾乳洞はそうはない。
なんだか、テレビ映画スタートレックに出てくる異星のセットみたいだ。

途中、「立入禁止」となっている横穴が何ヶ所かある。入ったら二度と出てこれないのではないかと思わせる雰囲気で、私としてはこういう謎の穴の多い鍾乳洞はポイントが高い。

高低差はかなりある。入口を入ってしばらくは下りが続く。
一番低い場所から一番高い場所までは高低差が80m。ビルの高さで言えば20階に近い。これを階段だけで昇り降りするのだからかなりの運動になる。

最深部の様子。
この先は登りになる。

滝の中を進んでいくようなフローストーン。

途中の何ヶ所かには、力尽きた場合の脱出路の案内があるのが、いかにもこの鍾乳洞らしい。

登りがつづく。80mの落差をタラップにすがりついて登ってゆく。
この辺りまで来るとかなりへとへとだ。もはや鍾乳石を観賞する余裕もないし、通路が螺旋状になっているかどうかなんて、どうでもよくなってくる。とにかくひたすら登るのみだ。

出口だ。
肩で息をしながら、やっとの思いで最後の階段を上りきると山頂に出る。山頂には休憩所があって、風に当たりながらしばし休憩。
しかし駐車場まではまた山を下らなければならないのであった。駐車場に戻ったころには膝が笑っていた。
(2000年05月01日訪問)