ウミホタル

レバーに群がる発光生物。

(千葉県富津市萩生)

日が暮れていよいよウミホタル狩りをするために、東京湾側に戻る。往路で目をつけておいた鋸山の近くの萩生漁港へと向かった。

ところで、ウミホタルというのは陸のホタルとはかなり違っている。大きさは3mmほどの節足動物で、言ってみればミジンコが大きくなったような生物と思えばよい。そして捕まえるためには餌が必要らしい。餌は自宅の近所のスーパーで買ってきた豚のレバーである。

ウミホタルを捕まえるための仕掛けは、インターネットで調べて自宅で作っておいた。プラスチックのフタのついたガラスのビンを用意し、フタの部分に加熱したハンダごてで蜂の巣のようにぷすぷすと穴を開けておいたものだ。レバーは直接ビンの中に入れてもいいのだが、ウミホタルと分離しやすいように小さな網にいれておく。ミカンの網でもいいだろう。私は近所の100円ショップで洗濯用小物ネットを買ってきて使った。

あとはビンにヒモをつけ、漁港の防波堤から水底に沈むように投げ込むだけだ。ビンを投げ込んだら、しばらく置いておく。近所の料理屋で夕食にして約1時間後に戻ってみた。

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ビンを引き上げ、防波堤の上に置く。

その瞬間、青く光るものが見えた。ウミホタルだ! 大成功である。

実はこのウミホタル狩り、ろくに下調べをせず適当に決行したわりにうまくいったので自分でも驚いてしまった。

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陸のホタルが黄緑色の光なのに対して、ウミホタルはブルーの光だ。ビンの中を開けると、ウミホタルが吐き出した(?)青白く光る海水と、その中で星のように光る無数のウミホタルたち。幻想的な光景だ。戦時中、日本軍はこのウミホタルを大量に養殖し、夜間の海戦で敵の艦の周辺の海面に散布し標的を照らし出すということを真剣に研究していたという。

(左写真はデジカメで接写したもの。)

こうして、2夜にわたった「陸のホタル、海のホタル」の旅は無事終了したのである。

(2000年05月29日訪問)