波羅比門神社

拝殿の中に雨乞いの赤黒の神馬がいる。

(埼玉県寄居町西ノ入)

先ほど波羅伊門(はらいど)神社という神社に立ち寄ったが、寄居町にはもう1ヶ所、同じ発音の波羅比門(はらいど)神社という神社があるのでそちらにも行ってみることにした。

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場所はJR八高線折原駅から少し山に分け入ったところ。

私は国道254号の小川町→寄居町の移動のときに八高線沿いの隘路(旧道?)を通ることがあり、多少は土地勘があるけれど、そもそも折原地区自体ほとんどの他県人が踏み入る場所ではない。

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この神社へ行く道も、石灰岩鉱山で行き止まりになっていてどこにも通じていないから、たまたま通りかかるということはまずないだろう。

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神社は2車線の車道に面していて、広い駐車場もあるのですぐにわかる。

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鳥居は扁額に庇の付いているタイプ。この種の鳥居は庇が唐破風になっていることが多いが、ここは直線的な縋破風。

扁額は透かし彫りの龍が絡んでいてなかなかに立派だ。

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境内には『折原歴史カルタ』の読み札の看板が立てられている。

「雨乞の 波羅比門神社 木馬像」

雨乞いのある神社なのか。「木馬(もくば)像」ではなくて「神馬(しんめ)像」でいいような気もするけど・・・

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鳥居をくぐると右側に水盤舎。

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短い石段を経て、拝殿がある。

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拝殿はガラスのはまった格子戸だが、一部が蝶番で開くようになっていてお賽銭を入れられる。

よい工夫だ。

内部の写真も撮りやすいし。

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拝殿の中は板の間になっているのだが、奥壁の左右に棚があり、そこに1対の神馬が祀られていた。

これがカルタにあった「木馬像」だな。

左側が赤、右側が黒というカラーリング。神馬の色は天候を表すとされていて、黒は雨、赤は晴れ。つまり雨乞いに関係する祭具なのだろう。馬はそれぞれ尻を向けているのも何か意味がありそう。

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拝殿の左側には巨大な絵馬があるが、風化していて何が描かれているのかはわからない。

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拝殿は凸型で、背後には流造の本殿がある。

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本殿は北関東にありがちなどぎつい赤色に塗られているのだが、造形はこまやか。

向拝柱の上の手挟(たばさ)みという部材が白で塗られているのが大胆でおしゃれ。

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本殿の左側には「日清戦役紀念碑」と書かれた石碑がある。

背面を見ると明治33年9月とある。

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本殿からみて右側の稜線に末社の八坂神社がある。

鳥居が塩ビパイプでできている。

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八坂神社まではコンクリで道が作られていて歩きやすい。

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八坂神社外観。

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八坂神社内部。

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本殿の左側には末社の稲荷社。

こちらも塩ビパイプの鳥居。

塩ビパイプの赤い鳥居って、以前にもどこかで見たと思うのだけど、どうにも思い出せない。

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笠木との接合部分になぜカーブした継ぎ手を使っているのだろうか。

太いパイプだと単純なT字型の継ぎ手がないのかな・・・。

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稲荷神社の外観。

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稲荷神社の内部。

(2021年02月21日訪問)