日野沢の水制工

巨石の石積みで作られた護岸。

(埼玉県皆野町下日野沢)

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水車小屋跡から日野沢川を少しさかのぼったところに、開けた感じの風景があり、川辺に大きな民家が並んで建っている。

そのあたりの川の護岸は巨石で積んだ見事な石垣でできている。こんな大きな石をよく積んだものだなあ。

砂防堰堤も石積みだ。

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オレンジ色に塗られた印象的なアーチ橋があった。

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増水時に水がかからないように橋脚なしで両岸をつないでいる。

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この橋の対岸を見上げると、恐ろしく急な車道があり、どうやら竹林の中に人家があるようだ。

日当たりはいいけれど、ちょっと生活するのが大変そう。

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隣にもう1軒の大きな民家がある。

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ここの橋も橋脚がなく、しかも修景されている。

最近、手を入れてきれいに改修してあるので、普通の民家ではなく水潜寺の宿坊かもしれない。

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水潜寺は秩父霊場の満願の札所で、この橋の横が参道入口なのだが、今回は時間が遅いのでお参りはしない。いつかまた来ることがあるだろう。

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この大きな民家の前に、川に突き出た石の壁のようなものがある。

これが何かというのはよくわからないが、見た通りのものだとすれば「水制工(すいせいこう)」?

でもこんな石積みで濁流の力を弱めることができるのだろうか?

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また、不思議なのがこの家の前に、河原へ下りるスロープがあることだ。

階段ではなく斜路になっているということは、何らかの重量物を頻繁に上げ下げしたのではないかと思われる。民家本来の造りは養蚕農家だが、蚕具を洗う程度であればここまでの大げさなスロープは必要ないと思うのだが。

謎であった。

(2023年02月06日訪問)