三仏寺へと向かう道すがら、
ん? 水車が掛けられそうな水路だな。
素朴な洗い場もあり、用水の水が生活の一部になっていそう。
注意深く車窓をチェックしていこう。
しばらく走ると、道ばたに水輪があった。
揚水水車の習作かというような物件だ。けっこう丁寧に作ってある。
全体が錆びていて、あまりメンテナンスされていないようだ。
水輪へは塩ビパイプから水が流れ出ていて、いまでも回そうと思えば回せそうだ。
道路からはこんな風にみえる。
ぱっと見にも実用性はない遊びの水車のように見えるのだが・・・
・・・よくよく見ると、水車への導水路がかなり本格的。
これ、いまでこそ遊びの水車が掛かっているが、元々は地形が違っていて、実用水車があった場所なのではないか。
取水部も堰があり充分に実用水車を運用できそうなインフラが整っている。
この水路にそって探せば実用水車の遺構くらい見つかるのではないかと、少し歩いてみた。
少しはなれたところにも実用的な取水部の跡が見つかった。だが残念ながら水車を設置した跡はなかった。
搗き臼か?
その後、県道が付け変わり、旅行者の車はこの集落をバイパスするようになった。人通りが無くなったせいか、道沿いの水路も少し荒れてきているように見える。
そして2018年8月現在の様子。案の定、水車は無くなってしまっていた。景観もだいぶ変わっている。
私が見たのは、儚い一瞬の夢のごとき水車だったのだ。
それでも、水輪に導水していた樋はまだ残っているようだ。
(2005年05月02日訪問)