東股公園の開放デッキ台

丁寧な溶接仕事で作られた台。

(高知県東洋町甲浦)

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県境をまたいで高知県の東洋町へと入った。その北部の集落、甲浦(かんのうら)は島影に囲まれた深い入り江で、まさに天然の良港という地形。町並みには二階屋が多く、個々の民家は特殊で、通り側に中を見せようとでもいうかのような大きな窓がある。一見するとしもた屋のようでもあるし、かつてお茶屋さんだったのかという想像も働くが確証はない。徳島県の椿泊の町並みともよく似ている。

いっぽう同じ東洋町の南部の集落、白浜ではほとんどが平屋で蔀張(ぶっちょう)造りの家が多い。同じ町で近距離でありながら、町並みが違うのが面白い。

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その甲浦の町並みの中に小さな広場があった。名前は判らない。甲浦には深い入り江が2つあり、ここは東股という入り江になるので「東股公園」としておく。

そこに古びた鉄製の滑り台があった。

これまで徳島県と香川県で多くの滑り台を見てきたが、それらのどれとも異なるタイプだ。県境をちょっとまたいだだけでいきなり違うタイプの滑り台があるというのは興味深いことだ。

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最も目立つ特徴は主柱が角パイプの1脚であることだが、タラップの手すり、デッキの手すり、滑降部の手すりすべてがこれまで見てきたシングル台とは違う特徴を持っている。

これは、いままで見てきた滑り台とは違う業者が施工したことを意味しているのだろう。

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滑降面はステンレスで、よくすべりそう。

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滑降部のステンレスは一枚板ではなく、途中で溶接して接いである。

滑降部には束柱付きの手すりがあるが、内側に鉄板が溶接されていて滑る際に束柱でひっかかるようなことはないようになっている。この手すり板は後補のものかもしれない。

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タラップの側桁も角パイプで、踏板は縞板を曲げたもの。

手すりなどはすべて溶接されていて、その丁寧な仕事ぶりが気持ちいい。

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デッキから滑降部と見たところ。

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公園にはほかにライドがいくつかある。

ゾウの形をした水飲みがよくできている。

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使用可能な箱ブランコもあった。

(2007年10月28日訪問)