八幡神社の擬木台

デッキだけが本物の木製の擬木台。

(徳島県石井町浦庄諏訪)

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石井町の神社巡りをしていて見かけた滑り台。八幡神社の境内にある。私が「滑り台保存館」を知る以前に収集していた数少ない物件。手作りの一点ものだという点と、かなり劣化している様子を見れば、滑り台ファンでなくとも記録せずにはいられないだろう。

樹のテクスチャをもったコンクリート製の滑り台である。いや、むしろ機能的には「滑らない台」といった方が適切かも知れない。滑降部はザラザラでの“おろし金"のようで、座ろうが立とうがまったく滑ることができない。

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登り方ははしごとネット。ネットは帆船のマストに登るときに使うような感じのもの。だいぶくたびれているがまだ腐ってはいなかったので登ることはできそうだ。

だがいずれにしても幼児には難易度が高いかもしれない。

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基部は通り抜けできるようになっていて、内部も樹のウロを思わせる造形になっている。

左写真の背後に見える“固定円木"もコンクリートで作られた擬似丸太だ。滑り台と一緒に設置されたものだろうか。

境内はクスノキなどが生い茂るいわゆる鎮守の森だが、そもそも石井町はそれなりに緑の多いところなので、遊具をあえて樹に擬態しなくてもいいと思う。周囲に溶け込んでしまうため、遊び場としての華やかさに欠け、さびしい空間になってしまっている。

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登って見るとデッキには本物の木でできたスノコのようなモノが敷いてあった。

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八幡神社についても見ていこう。

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神社は村の古い道に面していて、境内と道路の境界があいまい。

こういう境内好きなんだよなあ。

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鳥居の左右には随身の石像がある。

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通常、随身は八脚門に収められていることが多いが、ときどきこのように石像で設置されることもある。

仁王像が二王門に入らず石像や銅像で参道に置かれるのと同じ。

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参道の途中には水盤舎。

奥にもなにか建物があるな、、、末社か?

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行ってみたらお寺のお堂だった。

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臨済宗妙心寺派養牛禅庵とある。

もともとは神宮寺だったのかも知れない。いまは本堂兼庫裏というつつましいお寺になっている。

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墓地にはやけに小石が散らばっていた。

周辺の畑地とは様子が違う。

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神社に戻ろう。

拝殿は入母屋妻入りだが、全体的には八幡造りと言っていいのではないかと思う。

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拝殿の後ろには切妻の「後殿(うしろどの)」とでも呼べそうな建物があるからだ。

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境内にあった神庫。

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ほかに末社があった。

(2003年08月24日訪問)