龍徳院

庫裏の虹梁の上に小僧の彫刻がある。

(岡山県高梁市寺町)

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紺屋川の近くまで戻ってきた。ここから南側は行政的な地名も「寺町」で、ここから本格的な寺町巡りになる。

始めの寺は龍徳院。

川のほとりに見える鳥居は天神社。龍徳院の鎮守社と思われるが、独立した入口を持っていて単独の神社として掲載するか迷うところだが、天神社に隣接している祠が仏堂なので寺の一部とみなすことにした。

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寺の山門は薬医門。

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境内に入ると正面は玄関。

やや斜め右方向に石畳が続いていて、本堂へと誘う。

この寺などは地形的な制約がないので、山門の正面に本堂の向拝があっていいと思うのだが、意外にこのように山門の正面が玄関という寺は多い。

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玄関の左側には庫裏。

この庫裏にも別に玄関がある。

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庫裏の玄関には虹梁がありその上に小僧の形をした束があった。

こうした装飾は巻斗を持ち上げている場合が多いと思うが、これは実肘木を持ち上げている。珍しいのではないか。

小僧の上の丸桁が妙に新しいので、この庫裏は他の仏堂の廃材を利用して建てられているのかもしれない。小僧ももともとは別の堂にあったのだろう。

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庫裏の左手には小さな堂が並ぶ。

手前から、地蔵堂、弁天堂、一番奥は最初に紹介した天神社だ。

(2003年05月03日訪問)