ペイチンミャウン洞窟寺

鍾乳洞の中に仏教説話ジオラマが並ぶ。

(ミャンマーマンダレー管区ピンウールィン)

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ピンウールィンの市街地から国道3号線を、北東に10kmほどいったところに、鍾乳洞を利用した洞窟寺院がある。

それにしてもミャンマーには洞窟寺院多いな。

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洞窟への入口は、2頭のナーガがお出迎え。

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洞窟からは地下水が流れ出て、リムストーンを形成している。

この寺は洞窟だけでなく、境内のいたるところで見られるリムストーンも見どころのひとつだ。

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例の托鉢行列仏と、橋になった過去仏のジオラマ。

水と緑の景観の中で色鮮やかに再現されている。これは美しい。

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鍾乳洞への入口。

ん? 洞窟から出てきたおっさんが、滝の中へ入っていくぞ・・・

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・・・なんと水浴びを始めた。

あとで知ったのだが、洞窟の中は蒸し暑いので、参詣したあとここで足を水に浸けて涼む観光客がけっこういるのだ。

ここまで大胆だったのはこのおっさんだけだったが。

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洞窟の入口は大きな池になっていて、その周囲には仏教説話ジオラマが並ぶ。

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これはゴータマ(釈迦)が悟りを開くまえに、苦行をしているという場面であろう。

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おなじみ、初転法輪仏。

悟りを開いたゴータマが、修行仲間に初めての説法をするという場面。ミャンマーの仏教説話ジオラマでも定番のテーマだ。

周りに集まる動物達にも注目したい。

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洞窟は狭くなり、広くなりしながら続いてく。

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珍しい形のパゴダがあった。

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このあたりでもまだ洞内には水が流れており、支洞への入口は橋になっていたりする。

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また修行仏があった。

この洞窟寺の特徴は、ジオラマにリアルな植物が造形されていて、地下というのに密林のような雰囲気になっていることだ。

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あれ? また初転法輪仏。

入口のあたりにあったテーマが繰り返されている。

後ろにみえるミャンマーっ子たちの服装に注目。市内のブティックで見た鮮やかすぎるサマーセーターは、けっこう売れてるんだな。

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ワニ。

ワニってこんなだっけ? ジュラシックパークの恐竜を思わせる。

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ジオラマの間を縫うように、洞窟の奥へと進む。

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少し天井が高くなり、またパゴダがあった。

深い洞窟だ。もう100mくらいは来たのではないか。

カレン州で見てきた洞窟寺院と違って、照明が行き届いており、足下もきれいに整地してあるので、楽々見学できる。

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これは酔象調伏(すいぞうちょうぶく)の説話と思われる。

釈迦の教団を自分のものにしようとした弟子の提婆達多(だいばだった)が、発情期の暴れゾウを釈迦の前に放ち暗殺を試みるが、ゾウが釈迦の威光によっておとなしくなるという場面。

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あ、これはマハエントゥカンタ大仏のレリーフを見たときに教えてもらった、アングリマーラのジオラマだ。

母を襲ったアングリマーラを仏陀が諭している場面だな。

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マハムニ型の黄金仏があった。

日本でいう丈六仏ほどの大きさ。

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その前に金箔販売所があったので金箔を購入。

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基壇に登って、黄金仏に金箔を貼った。

おそらくこの金箔貼りは女人禁制だと思う。

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マスクメロンみたいな基壇に載った四面仏。

このマスクメロンのような色彩の模擬石垣は、ミャンマーでは普遍的に見かける。なぜ緑色に塗るんだろう。

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マスクメロンの上に登ってみた。

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ここから先には細い階段があり、ここまで平面だった鍾乳洞の主洞から、上に延びる支洞へと入っていく。

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階段は狭く、交互通行しないと通れないところもある。

鍾乳洞は涼しい場合が多いが、ここは人が多いのと照明の熱のためか蒸し暑く、汗ばんでくる。

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いよいよ洞窟寺の最深部。洞口からは300mくらいあるのではないだろうか。

最深部はあまり広くはなく、シンプルな仏が左右に並んでいる。過去七仏のいる涅槃の世界か。

右奥には、バーバリーシープみたいな動物が見える。

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足下にはなんと、カバが!

バーバリーシープといい、カバといい、アジアに生息しない動物がお寺にあるのは初めて見た。

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寄進所があった。

100円ほどを寄進。

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ミャンマーの寄進所では、領収書が発行されることが多い。複写式で控えがお寺に残るようになっている。

ここの領収書は色刷りで写真入りなので、参拝の記念になりそうだ。

(2014年11月29日訪問)