馬場川通りの舟つなぎ石

渡し舟をつないだ石だという

(群馬県前橋市本町2丁目)

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利根川は現在は、前橋市の西を流れているが、室町時代以前は桃の木川と広瀬川のあいだを、ときおり流路を変えながら流れていたという。

前橋市街地の国道50号線から北側は傾斜地になっている。これはかつて利根川が前橋市街地の中心部を流れていたときの南岸の崖線である。現在、この崖線に沿って「馬場川」という用水が流れている。

その用水に沿った道に「舟つなぎ石」と呼ばれる岩がある。

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この岩は、かつてこのあたりを利根川が流れていた時代に、渡し舟をつないだ岩だったそうだ。

現在よりやや西にあったものを移設したものだという。中央通りから北へ行くと旧富士見村方面に続く古道、石井県道にもなるので、この辺りには昔から往来があったと思われる。伝説もあながち作り話ではないように思う。

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この舟つなぎ石の向かいには、ステキな雑居ビルがある。

モダニズムの商業ビルって、その全盛期にはあまり良いものだと認識はされてなかったと思うが、ポストモダンを経た現代に改めて見てみると、ものすごい郷愁を覚えるスタイルになってしまった。

(2010年01月09日訪問)