前橋乾繭場跡

西大室町に移転後、平成8年まで操業した。

(群馬県前橋市若宮町3丁目)

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若宮町を南北に抜け、富士見村の石井まで続く道「石井県道」。この道は、製糸工場や繭倉庫などが点在していたというイメージがあることは以前に書いたことがある。

その道にあった製糸工場や繭倉庫の跡を当たってみたが、ほとんどはなくなって住宅や駐車場になってしまっていた。

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その石井県道の若宮町のあたりは、かつては才川通りと呼ばれていた。前橋でも玉糸製糸の中心地だったと言われている。

その才川通りに「才川緑地公園」という公園がある。この場所はもと「協同組合 前橋乾繭場」という施設だった。

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公園には記念碑が残っている。

乾繭場については、富岡の甘楽社乾繭場を紹介している。つまりは、製糸工場が農家から買上げた繭を、熱で殺して長期保存できるように水分を抜く加工をする場所だ。「協同組合」という名前からして、前橋にあった小規模な製糸工場が共同出資して作った乾繭場だったのだろう。碑文によれば、この場所から西大室町に移転し、平成8年まで操業したという。

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石井県道にはその他の製糸関連の遺構は見つけられなかった。資料では残っていると書かれていたレンガ造の繭倉庫もすべて無くなって駐車場になっていた。

唯一、撚糸工場か何かだったのではという建物が、才川緑地公園のすぐ北側の路地にある。

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中は見えないので確認はできないが、工場であろう。

近くに人がいなかったため詳細は不明だが、写真を残しておこう。

(2013年01月27日訪問)