新井撚糸

撚糸工場が集まっていた場所だったという。

(群馬県前橋市大手町3丁目)

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前橋児童遊園地の北側の路地、箪笥屋横丁。友人とこの路地を通ったとき、撚糸工場と思われる外観の建物があることに気付いた。

もちろん、これまでも何度もこの道を通ったことはあるが、いままでは気付かなかった物件だ。

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今回これを見つけることができた理由は、ひとつにはここ数年の撚糸工場探訪で、撚糸工場に対する感度が上がり「見えるようになった」というのもあるが、もうひとつは、周囲が更地になって見通しがきくようになったこともあるだろう。

また、助手席に乗っていたので普段よりも景色をよくチェックできたのも好運だった。

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かつてこの一角には7軒の撚糸工場が操業していたという。おそらく広瀬川や石鍋用水に水車をかけて動力として利用した工場群だったのではないかと思う。

実はここには高校時代に何度か来たことがある。高校時代によく遊んだ友人は写真部だったのだが、この工場群の中の空き地に猫の会議場があって、猫の写真を撮る友人に付き合って何度か通った場所だった。おそらくその当時はまだ操業している工場があったと思うが、無関心な高校生にはそれは見えなかった。

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工場は切妻屋根。

これが民家でないことは、屋根の天窓を見ればわかる。あのような位置に明かり取りがあるということは、天井がないことを意味しており、住居長屋でないことがわかる。

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もちろん、その後住居になったかもしれないが。

現在は空き家らしい。

(2015年12月20日訪問)