金井千体地蔵堂

小型の地蔵が無数に収められた堂。

(群馬県藤岡市金井)

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2013年は藤岡市に何度も用事があった年だった。特によく行ったのが日野にある「土と火の里」という工芸村だ。これからその日野の谷の物件について紹介していこうと思う。

最初に紹介するのは、日野の入口でもある金井集落にある千体地蔵堂。これは以前に紹介した岡与酒造のすぐ裏側にあたる。

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境内の全景。手前はゲートボールコートになっている。

以前にはもう少し大きな寺があったのではないかと思わせる立地だ。

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境内の入口には名号塔がある。

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その付近にあった三体の地蔵と、庚申塔。

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この三体は対になった石塔もあり、左右で六地蔵を形成している。

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まずあるのが千体地蔵堂、兼、倉庫。

2間の建物が間口を半分に仕切って2種類の用途に使われている。

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向かって右側が千体地蔵の祭壇。

棚には番号がふってある。全体で740体の仏像があるそうだ。

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向かって左側は野道具(葬送の道具)の格納庫。

大きな蕨手がユニークな座棺輿がしまわれてあった。

扉には鍵がかかっているので、外から見るだけ。

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灯籠。

手前の段ボール箱の中にもなにか入っていそうだ。

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花籠。

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地蔵堂の右側には、なにやらいわくありげな薄っぺらい観音像がある。「フロランタン観音」と命名させていただく。ウエハスにナッツを入れてキャラメルで固めた洋菓子「フロランタン」を思わせるからだ。

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観音像のヨコには池があり、小島に地蔵菩薩が祀られていた。通常は弁天などが置かれる場所だが、周囲のハスとあいまって、意外に地蔵尊がフィットしている。

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フロランタン観音の後ろに隠れるように置かれている陰陽石。

これ、もともとは石灯籠かなにかの一部だったのではないか。

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本堂、兼、檀信徒休憩所。

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内部の様子。右側に大きな窓があるのでとても明るい。

奥に祀られているのは、薬師如来。

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諸堂の裏手は墓地になっているが、比較的新しい墓石が多く、古いものは無縁塚に集められている。それとて、あまり古いものはなさそうだった。

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千体地蔵の入口にある、二階建ての蚕室。

主屋と別に建てられた蚕室としては意匠が優れていると思う。

(2013年08月18日訪問)