東平井の煉瓦倉庫

ほぼ繭倉庫の外観をもつ農業倉庫。

(群馬県藤岡市東平井)

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藤岡市の東平井地区は、ほ場整備や県道13号線バイパスなどの土地改良が進んでいて、旧集落の中を車で通過する必要がなくなってきている。それでも私は東平井周辺を通過するときには旧集落の道を通り抜けるように心がけている。以前紹介した東平井の養蚕集落もそうして見つけた場所だ。

それに比べると、今回紹介する煉瓦倉庫は、この地区唯一のセブンイレブンの近くにあるため、ドライブなどで通っても目にすることが多いだろう。

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壁には「農業倉庫」と書かれている。

そのため、おそらくブログなどでこの物件を紹介する人がいても「煉瓦倉庫」などというタイトルで紹介せざるをえないだろう。農業倉庫といえば穀物の倉庫ということになると思うが、よくある穀物倉庫は土蔵造で大棟に換気塔を載せるというフォーマットであって、この外観はそれとは異なる。

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それよりこれは富岡市方面に多く残る組合製糸の繭倉庫のフォーマットに限りなく近いものといえる。

西側の基礎部分、地面すれすれにに通気孔のような穴があいているのが確認できる。これなどは、前橋市の旧安田銀行担保倉庫にも見られる構造である。

しがたって、これは穀物倉庫ではなく、もともとは繭倉庫として建てられたものだったのではないだろうか。

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煉瓦の積み方はイギリス積み。

東側には屋根があって、日や雨を避けて入出庫ができたようだ。

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建物の東側の全景。

(2012年10月29日訪問)