鑷沢の柱状節理

小野子山の火山活動の名残。

(群馬県渋川市村上)

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そのあと吾妻川の北岸に渡り、鑷沢(けぬきざわ)という川に沿って、小野子山の扇状地の集落を一周りした。以前、この地域で水車めぐりをしたとき、ほぼ夜だったため充分に水車探しができず、見落としがあるのではないかと思ったからだ。

結局、新たな水車や水車跡は見つからなかったが、鑷沢の上流部で柱状節理を見かけた。

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柱状節理とは、火山の溶岩が冷えて固まるとき、規則的な割れ目を作って柱状になったものをいう。トコロテンのように束になっているときもあるし、鉛筆のような六角形の石がゴロンゴロンしている場合もあり、奇観を作り出すため、見どころのある火山性の地形だ。

鑷沢は小野子山から流れ出る沢だから、これはきっと小野子山の火山活動の名残なのだろう。

実は柱状節理のファンってそれなりにいるのではないかと思っている。柱状節理にはマニア魂を呼び覚ます何かを感じるのだ。

もちろんここは、酔客が観光バスで乗りつけるようなA級物件ではないが、鑷沢についてはあまりネットに情報もないようなので紹介してみた。

こうして、榛名山北東麓の稚蚕飼育所巡りは終了。

最後はぐだぐだだったが、移動した範囲で見落とした飼育所はそうは残っていないように思う。

この旅で見た稚蚕共同飼育所はブロック電床育が多かった。それも赤城南麓でよく見た「宮城村型」とでも言ったらいい形態の飼育所だ。榛名南麓にあった木造下見板張りの古い建物は見つからなかった。

一方で、新たな発見として、個人所有の土室があるということを知った。このような土室が他の地域にもあるのか、今後は注意して見て行きたいと思う。

(2008年05月01日訪問)